March, 9, 2016, Cardiff--カーディフ大学(Cardiff University)などUKの研究グループは、シリコン基板上に直接成長させた初めて実用的なレーザを発表した。
このブレイクスルーは、コンピュータチップと電子システムとの間の超高速通信につながり、通信から、ヘルスケア、エネルギー生成までの広範な分野を変革すると考えられている。
シリコンは、電子デバイス製造で最も広範に用いられている材料であり、半導体製造に用いられる。われわれが日常生活で使用する、スマートフォンやコンピュータから衛星通信、GPSまでほぼすべてのデバイス、技術に組み込まれている。
半導体レーザとシリコンを結合することは難しかったが、UKのグループはこのような困難を克服し、シリコン基板上に直接レーザを集積することに初めて成功した。
成長作業を主導した、Huiyun Liu教授の説明によると、1300nm波長のレーザは最高120℃で10万時間まで動作することが示された。
物理学・天文学部のPeter Smowton教授は、「Si基板をベースにして電気励起のレーザを実現することはシリコンフォトニクスへの基本的なステップである」と話している。
「そのようなステップの正確な結果を完璧に予測することは不可能であるが、コンピューティングやデジタル経済を変革することは明らかである。また、患者をモニタリングすることでヘルスケアに革命を起こし、さらにエネルギー効率でも段階的な変化が起こる」。
「われわれのブレイクスルーは非常にタイムリーである。それが、カーディフ大学の化合物半導体研究所、化合物半導体スペシャリストIQEと大学の合弁の主要な活動の基礎となるからである」
UCLのフォトニクスグループ長、Alwyn Seeds教授は、「われわれが開発した技術によってシリコンフォトニクスの至高の目標が実現できる。効率的で高信頼の電気駆動の半導体レーザを直接シリコン基板に集積することができる。今後、われわれは、このレーザと導波路および駆動エレクトロニクスとを集積し、フォトニクスとシリコンエレクトロニクスを集積する包括的な技術を実現する」と語っている。
研究成果は、Nature Photonicsに発表されている。