February, 9, 2016, Cambridge--GoogleやFacebookが使っているようなデータセンターは、幅広いサービスやアプリケーションの基本的なバックボーンである。
例えば、クラウドやフォグコンピューティング、ビッグデータも、IoT、ソーシャルネットワーキング、天気予報、地震や津波予測、サイバーセキュリティなど。そのようなものとしてデータセンターは隠れた、しかし現代生活や人間の進歩の不可欠な一部となっている。ブリストル大学、慶応大学、業界パートナーによる新しい研究は、将来エクサスケールデータセンターを可能にし、5Gネットワークを一変させる80THz光帯域を解放した。
光通信技術、WDMおよびネットワークに関する研究は、全インターネットのあらゆる有線ネットワークのバックボーンを構成する。今までの研究は、193THzを中心とした11THz帯域(C/Lバンド)にフォーカスし、限定していた。
この周波数帯域をベースにした光ネットワークは、50GHzスペーシングで最大230チャネルまでサポートできる。インターネット・オブ・エブリシング(IoE)からデータセンターまで、ネットワークインフラが絶えず成長しているため、ファイバ容量はその限界に近付きつつある。
ブリストル大学の電気・電子工学部、慶応大学、多くの日本の業界パートナーのコラボレーションによって、先駆的なオールオプティカルルータの設計、開発、プロトタイプ作製が実現した。このルータは、T-バンド(サウザンドバンド)と名付けられた新規定義の周波数バンドとOバンド(オリジナルバンド)で80THzの帯域を使うことができる。隣接バンドは、1.0µm(300THz)から1.36µm(220THz)で、50GHzスペーシングで1600チャネルをサポートできる。
電気・電子工学部の光・ハイパフォーマンスネットワーク上級講師、Dr Georgios Zervasは、「提案され、プロトタイプを作製したその技術とシステムは、新しい周波数帯域とネットワークを解放し、将来のエクサスケールデータセンター、ゼロ遅延の感触の良い光インターネット、IoE、スマートシティ、フォグコンピューティング(Fog Computing)やビッグデータインフラストラクチャをサポートする。これは、コラボレーションの成果である」とコメントしている。
作製しテストした技術は、カスケードAWGsをベースにしており、光速度でデータを導波できる1600×1600波長ルータの作製が可能になるように設計されている。また、特殊設計の量子ドットチップを光源として使用しており、これは日本のNICTが最初に開発したものである。
このシングルパス光システムは、現在のシステムから多種多様に増える膨大な情報をルーティングすることができる。これは、100万以上のエンドポイントを単独で相互接続できる。ブロードバンドホームユーザ、IoTデバイス、データセンターサーバなど。同時に、各エンドポイントに少なくとも10Gb/sを提供できる。重要な点は、それがいかなる通信信号に対してもトランスペアレントであるため、将来も利用できることである。また、それはパッシブ技術であるので、潜在的に消費電力はゼロである。
慶応大学科学・技術学部、Hiroyuki Tsuda教授によると、この新しい周波数バンド技術は、新しい帯域用に設計された量子ドットベースの光デバイスと石英平面導波回路をベースにしている。