January, 29, 2016, West Hills--固体照明デバイスの製造では、酸素がもろ刃の剣となることを研究者たちは見出した。酸素はGaNの効果を妨げる一方、場合によっては少量の酸素がデバイスの光学特性強化に必要となる。ユーロピウム添加GaNはその例であり、LEDや他のディスプレイで赤色を発光する。GaNにおける酸素の量と位置を微調整してEuドープGaNデバイスの光学パフォーマンスを改善できることを大阪大学、ポルトガルのInstituto Superior Técnico(IST)、マウントユニオン大学、オークリッジ国立研究所の研究グループがScientific Reportsに報告している。
少量の酸素はGaN結晶格子へのEuの均一配合を促進する、と研究グループは説明している。同グループは、Euを均一に組み込む方法も実証した。これは、GaNに不可避的に存在する酸素レベルだけを利用する。希土類Euは、ドーパントとしてGaNに添加され赤色を高効率に発光する。GaNベースのオプトエレクトロニックデバイスでは、まだこれは難しい。
デバイスの発光は、Eu組み込みの相対的均一性に依存する、とLehighの物理学部チェア、Volkmar Dierof教授は説明している。
同教授によると、Eu組み込みに酸素が必要な理由など不明な点もあるが、必要な量はEuイオン量の約2%であることが分かっている。GaNへのEu組み込みを容易にするには、100Euイオンごとに、2酸素原子が必要になる。
「酸素がそこになければ、Euクラスタとなり、組み込まれない。酸素が約2%存在すると、酸素パッシベーションが起こり、EuはクラスタなしでGaNに組み込まれる」とDierolf氏は説明している。
(詳細は、www.lehigh.edu)