UCSD、脳腫瘍の正確なレーザ処置を評価

January, 28, 2016, San Diego--UCSD Healthの神経外科医は、侵襲性の少ないFDA認定レーザ装置、NeuroBlateシステムが患者の生活の質(QOL)にどのように影響を与えるかを評価するために、重要な多面的研究を開始した。
　UCSD(カリフォルニア大学サンディエゴ校)医学部神経外科研究・学術開発バイスチェア、Clark C. Chen氏は、「この国家的研究では脳腫瘍患者のレーザ処置の長期的効果を評価する。腫瘍学は生存利益だけに注力する傾向がある。しかし、この研究はQOLに注力する」とコメントしている。
　将来に向けた研究、Robotic NeuroBlate System (LAANTERN)を使用する異常な神経組織のレーザアブレーション(Laser Ablation of Abnormal Neurological Tissue)にMonteris Medicalが資金を提供している。
　「脳の表面あるいは深部に腫瘍がある患者は一般に手術の対象ではない。手術中に健全な脳組織の広範な部分が損傷を受け、その結果こうした患者の生存と生活の質が全般的に最適以下になるからである。しかし次世代イメージング技術の組み込みにより、これまでは処置できなかった患者を助けることがでる」とChen氏は話している。
　UCSD Health神経外科チームは、米国で初めて患者をLAANTERNに登録した。これまでのところ、患者は処置後1日で帰宅し、日常の活動を再開した。
　Chen氏は、外科手術は小さな5㎜以下の皮膚切開と同サイズの頭蓋骨切開を行い、そこからレーザプローブを直接腫瘍に挿入して異常細胞を破壊すると説明している。
　「侵襲性の極めて少ない手術として、レーザ処置の患者のQOLは従来の手術と比べ大きく改善される。従来法では、大きく切開して頭蓋骨のかなりの部分を除去する」とChen氏は指摘している。
　最初の研究結果は有望であるが、新技術の臨床結果を十分にモニタし、研究が完了するまで記録することが重要である、と同氏は付け加えている。
　レーザ処置は、リアルタイムMRIモニタリングと専門の術中MRIチームを必要とする。その手術は、従来の手術室では行えない。
(詳細は、ucsd.edu)