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NIST、トラップした光を計測・変調する新方法を開発

January, 18, 2016, Gaithersburg--NIST(米国標準・技術局)の研究チームは、マイクロスケールの光共振器にとらえられた光がどのように振動するかを非侵襲的に計測しマップする新しい方法を開発した。
 新技術により、計測精度が向上するだけでなく、研究者は共振器自体の形状をわずかに変えることによってトラップされた光の周波数を微調整することができる。
 振動パターンの可視化により研究者は、超高感度の光センサが生体分子や、単一原子までも検出できるように完全なものにすることができる。微調整機能は、現在は製造では達成不可能であるが、シングルフォトンの量子情報処理などのアプリケーションでは必要となる同一共鳴の光共振器実現に道を開くことになる。
 マイクロスケールの光共振器は、音ではなく光で「鳴る」微小なベルのようなものである。ベルの音色と同じように光共振器が「鳴る」周波数は、そのサイズと形状によって決まるので、光のある周波数を増幅、維持するが、別の周波数は衰退する。
 デバイスは、非常に小さいので光は実際には外部表面に拡張し、そこで近接場を形成する。これら振動する近接場が最強であるところでは、共振器は環境変化に対して超高感度となる。近接場のどなん擾乱、例えば漂遊分子や原子でも共振器内部の光に影響を与え検出可能になる、鳴っているベルに触ることで音色、音量を変えたり、ベルを完全に止めるのと全く同じことである。
 実際のデバイスでこのような振動パターンをマッピングすることは、研究者がデバイスをさらに高感度にするのに役立つ。
 現在、これらの共振器の振動プロファイルは、鋭い針のようなプローブを使って計測されている。プローブを使うことの問題は、そのプローブが近接場を強く乱し、十分に表面に近づけないので高分解能イメージングが達成できないことである。マイクロ共振器の高分解イメージングには、プローブが近接場を乱すことなく表面に届くことが必要である。
 幸い、NISTナノスケール科学技術(CNST)で開発された新しい集中リチウムイオンビーム技術は、まさにそれができる。
 集中イオンビームは、イオンをシリコンでできた共振器に注入する。この「タッピング」により、微小なふくらみが生まれ、構造の共鳴特性に影響を与える。つまり中にタップした光のパターンに影響を与える。ベルメーカーが材料を加えたり、形状を変えることでベルの音を変えることができるようなものである。鋭く集光されたイオンビームにより研究者は共振器のトーンを編集することができ、2つの共振器を調整して同じ振動品質とすることができる。CNST物理学者、Vladimir Aksyukは、研究グループが使う、そのリチウムイオンは、低質量であるので、特にこの種の研究に適していると考えている。
 客員研究者、論文の共著者、Jie Zouは、「論文ではわれわれはマイクロ共振器のかすかな明視野をマップするためにリチウム集中イオンビームを使ったが、リチウムイオンが共振器のシリコン格子とどのように相互作用するかを前例のない感度で調べることにもそれを使うことができる。これは、リチウムイオンバッテリや半導体産業に重要な識見を与えるかもしれない」とコメントしている。