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豊橋技工大、魚の鮮度を非破壊センシング

December, 15, 2015, 豊橋--刺身や寿司など、生魚を食べる日本では、冷凍前に水産品の最初の鮮度を知ることが大きな課題になっている。
 魚の鮮度を判断する通常の方法は、ヌクレオチド化合物の化学分析をベースにしたK値計算によるものであるが、この方法は非常に時間がかかる。Emiko Okazaki教授によると、このような方法で魚の鮮度を判断するのに1~2日かかる。「この非常に長い分析時間を短縮する代替ツールを見出すことに大きな関心がある。スマートで迅速かつ高信頼の方法を開発することは、研究でも業界でも緊要である」と同教授はコメントしている。
 論文の筆頭著者、Dr. Gamal ElMasryは、「調べた冷凍魚からの蛍光信号は初期の鮮度条件で著しく変わったので、高感度、高精度と評価されているセンサ技術として自己蛍光分光法は、冷凍状態でも水産品のスクリーニングでも価値のある有望なツールになる。したがって、古い魚が悪化する中で蛍光を発光する分子に起こる変化を、冷凍前に蛍光信号を使って追跡することができる」と説明している。
 研究チームは、鮮度条件が異なる冷凍魚の励起発光マトリクスを分析し、高圧液体クロマトグラフィ(HPLC)によって、魚のレファランス鮮度値を計測することでそのようなシステムの開発の第1段階に取り組んでいる。
 「冷凍魚の鮮度が簡単に見分けられる特殊な励起波長がいくつかあることが分かった。問題は、アプリケーションをオンライン用にリアルタイムモードにするのに最も効率的な発光波長を決めることである」とShigeki Nakauchi教授は説明している。
(詳細は、www.tut.ac.jp/english)