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市販の深さセンサの解像度を1000倍上げるアルゴリズム

December, 11, 2015, Cambridge--MITの研究チームは、光の偏向を利用することで従来の3Dイメージングデバイスの解像度が1000倍向上することを示した。
 この技術は携帯電話に組み込まれる高品質3Dカメラ、また対象物をスナップショットして3Dプリンタによるレプリカ製造を可能にする。
 さらにドライバ不要の自動車の開発を促進することにもつながる。
 MIT Media Lab、PhD学生でシステム開発者の1人、Achuta Kadambiは、「現在、携帯電話に組み込めるようにカメラの小型化が進んでいるが、3Dセンシングに妥協している。そのため、撮れる形状は非常に粗い。偏向フィルタを追加すると、機械工場の多くのレーザスキャナよりも優れた画像が得られる」とコメントしている。論文では、新システムはPolarized 3Dと呼ばれている。
 研究チームの実験セットアップは、反射時間を利用して深さを計測する、Microsoft kinectで構成されている。kinectの前面には普通の偏向写真レンズを取り付ける。実験で、研究チームは、一回ごとに偏向フィルタを回転させ、対象物の3つの写真を撮った。このアルゴリズムは、結果として得られる画像の光強度を比較する。
 数mの距離で、kinect自体が物理的特徴を直径数センチで解像することができる。しかし偏向情報を追加すると、チームのシステムは数10µmのレベルで特徴を解像できる。
 比較のために、研究チームは、いくつかのテスト対象物を高精度レーザスキャナで撮像した。偏向3Dは、それよりもさらに解像度が高かった。
 機械的回転偏向フィルタは携帯電話カメラには適していないが、光センサの個々のピクセルにオーバーレイできる微小偏向フィルタグリッドは商用で利用できる。個々のイメージピクセルで3ピクセル相当の光をキャプチャすることで携帯電話カメラの解像度は低下するが、それは現行カメラがすでに使用しているカラーフィルタにすぎない。
 新しい論文では、偏向システムが、自動運転自動車の開発に役立つとする展望を紹介している。今日の自動運転実験車は、通常の照明条件では非常に信頼性が高いが、雨、雪、霧ではその視覚アルゴリズムは混乱する。これは空気中の水粒子が予想不能な方向に光を散乱し、解釈を難しくするからである。
 MITの研究チームは、非常に簡単なテスト例で、光の妨害波に含まれる情報を利用して散乱に対処できることを示した。
(詳細は、www.mit.edu)