December, 3, 2015, Corvallis--1マイル以上の光ケーブルでフォトンを使って2つの電子間で通信することでスタンフォードの研究チームは、量子ネットワークの実行可能性証明に重要な一歩を踏み出した。
スタンフォードの研究チームは、量子物理学における長年の問題、「エンタングルした」粒子を長距離伝送する方法で前進した。
量子エンタングルメントは、たとえ何千マイル離れていても接続されている2つあるいはそれ以上の粒子の現象として観察されている。
電子は原子の中にトラップされており、したがってエンタングル電子は、長距離では直接話すことができない。しかしフォトンは移動できる。研究者たちは、いわゆる量子的相関という必要なエンタングル状態を確立し、フォトンを電子に関係づけることができる。これは、フォトンが、電子スピンのメッセンジャーとして機能できるようにするためである。
以前の研究では、スタンフォードの物理学者Leo Yuは、電子とエンタングルしたフォトンを光ファイバケーブルで数フィート伝送した。今回、名誉教授Yoshihisa Yamamotoを含む研究チームは、記録的な1.2マイルでフォトンを電子スピンと関連付けた。
これを行うために研究チームは、相関が長距離にわたって維持されることを確実にしなければならなかった。フォトンは光ファイバ伝送中に方向を変える傾向があるので、これは重要な課題であった。
フォトンは、垂直方向と水平方向(偏向)を持ち、これはデジタルコンピュータプログラミングでは0または1とすることができる。しかし、もしそれが途中で変わると、相関づけられた電子との接続は失われる。
この情報は、別の方法で維持可能である。Yu氏は、フォトンの到着時間を電子スピンと関連付けるためにタイムスタンプを考案した。これは、個々のフォトンが元の電子との相関を確認するための一種の参照キーを与えることであった。
長距離離れていてこれまでに会ったことのない2つの電子を最終的にエンタングルするために、それぞれ固有のソース電子と関係づけられた2つのフォトンは光ファイバケーブルで送られて、「ビームスプリッタ」の真ん中で出会い、相互作用しなければならなかった。フォトンは通常、相互作用しない、たった2つのフラッシュライトビームが互いを通過するだけである。したがって研究チームは、この相互作用、つまり「2光子干渉」を仲介しなければならなかった。
2光子干渉を確実にするために、研究チームは、もう一つの問題を克服しなければならなかった。2つの異なるソースからのフォトンは、異なる特性を持っている。それらの波長が違えば、それらは干渉できない。光ファイバケーブルで伝送する前に、フォトンは波長を一致させる「量子ダウンコンバータ」を通った。そのダウンコンバータは、2つのフォトンを1つの波長にシフトし、これによって通信用に設計された光ファイバケーブル内を遠くまで伝送できるようになる。
論文は、Nature Communicationsに発表されている。