レーザ加工シミュレーションが初めてアプリとして利用可能に

November, 26, 2015, Aachen--レーザ材料加工では、プロセスのシミュレーションが近年大きく進歩した。今日、加工対象に何が起こるかを比較的正しく予測できるようになっている。残念なことに、それは非常に複雑であり､膨大な計算時間を必要とする。
　フラウンホーファーILTの研究チームは、プロセスをリアルタイムで計算し、タブレットやスマートフォンで提供できる初のシミュレーションソフトウエアを開発した。この高速ソフトウエアによってユーザは、高価な実験が不要になり、最適な加工パラメータを一段と効果的に見つけ出すことができる。
　フラウンホーファーのレーザ技術研究所ILTのシミュレーション技術者は、非常に少ないリソースで動作する新しいソフトウエアを開発した。ILTによると、タブレットやスマートフォンでも実行することができる。個別パラメータは、スライダーを使うことで調整できる。シミュレーション結果は隣接ウインドウに現れ、リアルタイムで変化する。
　これは可能になったのは、コンピューティングモデルをアプリケーションに特化して削減しているからであり、あるシミュレーションが各アプリケーションに応じて導入されるプロセスとなっている。こうしたシミュレーションは計算の複雑さを飛躍的に減らすので、結果が極めて迅速に得られる。
　従来のシミュレーションプログラムは、レーザビームと材料の相互作用に関連したプロセスの複素表現を提供する。ユーザの関心事は他の何よりも､、焦点位置、スポット径が調整された時にドリル孔の円錐がどう変わるかというようなことである。簡素化されたシミュレーションにより、そのようなパラメータの影響は正しく研究されており、結果は実験データと非常によく一致している。
　以前の方法や通常の実験とは対照的に、変更されたパラメータの効果は直ちに表示される。個々のパラメータを変えることは極めて簡単であり、結果はすぐに隣接ウインドウに表示される。
　このことは、シミュレーションがレーザ加工機で直接実行できると言うことである。時間のかかる実験は、もはや不要である。セットアッププロセスは極めて迅速に完了する。
　新しいソフトウエアの考え方は、大手顧客向け特注により開発したものである。とは言え、このソフトウエアは全ての顧客が利用できるようになる。計画されたアプリケーションに応じてソフトウエアを、フラウンホーファーILTの専門家が改良して最適な結果が容易に得られるようにする。ノウハウは、従来のモデルの巧妙な簡素化にある。
　とは言え、ソフトウエアの潜在力は、そこで止まるものではない。時間のかかる計算は、多くの産業分野に存在する。例えば、自動車産業、追突試験はまだ膨大なコンピューティング能力を使っている。縮小モデルの原理を転用すれば、著しい節約が約束できる。