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青色半導体レーザ光源で世界最高出力の6kWを達成

May, 29, 2024, 京都--島津製作所は、自社製青色半導体レーザ光源「BLUE IMPACT」について世界最高出力となる6kWを達成するとともに、青色レーザでは世界で初めて加工対象に合わせて照射ビームの形状を調整できる「オンデマンドプロファイル制御技術」を搭載した。これにより「高出力でも安定した溶接を実現し、高品質で高スループットな加工」を可能にした。
青色半導体レーザ光源の出力6kWは、2020年度にNEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)プロジェクトで記録した出力の約4倍である。島津は、開発した光源で加工した溶接サンプルを「人とくるまのテクノロジー展」(5月22~24日、パシフィコ横浜および7月17~19日、愛知県国際展示場)に展示する。

電動化に伴い、自動車の主要部品はエンジンや変速機からモーターやバッテリーなどに置き換わり、電気と熱の伝導率の高い純銅材の加工需要が拡大している。従来のレーザ加工で用いられてきた赤外線と比べて、波長400nm~460nmの青色光を発振する青色半導体レーザは、金属に対する光吸収効率が高く、純銅材の加工に適している。また、半導体レーザは従来のレーザより応答速度や遠隔操作性に優れており、メンテナンスフリーという特長がある。そのため青色半導体レーザは、今後の電気自動車(EV)普及で重要となる純銅材の溶接に欠かせないツールである。

6kW青色半導体レーザ光源は、新たに開発した1kW青色半導体レーザ光源と、同レーザ6台の出力光を結合する独自の加工ヘッドで構成されている。1kW青色半導体レーザの出力ファイバには長方形のコア形状(200um×400um)を採用した。従来の円形形状だと走査した場合、中心部と周辺で熱の伝わり方に差が生じるが、長方形の場合は全域で均一に熱を伝えることができ、かつ照射面積の拡大で高輝度化が図れるため、安定した高速加工が可能となる。さらに、束ねたレーザ6台の出力や照射位置をそれぞれ独立制御できる、世界初のオンデマンドプロファイル制御を実装した。加工対象物の形状に合わせて、溶接の中心部には強いレーザ光を照射し、その周りは弱いレーザ光を照射するように制御することにより、溶接時に溶融した金属粒子の飛散を抑制でき、高品質な加工を実現できる。

島津製作所では2016年度から高輝度・高効率レーザを用いた加工技術に関するNEDOプロジェクトに参画し、大阪大学接合科学研究所接合プロセス研究部門レーザプロセス学分野の塚本雅裕教授とともに多数の青色半導体レーザ素子出力を束ねる独自のコンバイン技術を開発し、加工用光源に求められる高輝度と高出力を両立してきた。島津製作所は、現在、大手工作機械メーカーと協力し、同技術の社会実装を目指している。長年培ってきた「BLUE IMPACT」技術を活かして、EV用モーターやバッテリ、インバータなどの溶接に使える光源を開発していく。
(詳細は、https://www.shimadzu.co.jp)