October, 5, 2023, 大阪--住友電気工業株式会社は、極低損失マルチコア光ファイバ ”2C Z-PLUS Fiber ULL” の量産化に世界で初めて成功、2023年10月に販売開始する。
光ファイバは今日の情報通信社会を支える基盤インフラ。5Gモバイル通信の普及・発展、世界各国の大規模データセンタ間の通信トラフィックの急増などに伴い、光ファイバ通信システムの大容量化が求められている。
さらなる通信容量拡大を実現するため、1本の光ファイバの中に複数のコアを内蔵するマルチコアファイバ(MCF)の研究開発が活発化しており、次世代の光ファイバとして期待されている。
住友電工は、世界をリードするMCF研究開発の成果と長年にわたり培ってきた光ファイバの低損失技術によって、極低損失MCF “2C Z-PLUS Fiber ULL”を開発し、その量産化に世界で初めて成功した。従来の光ファイバは光信号の通り道であるコアが1本であるのに対し、“2C Z-PLUS Fiber ULL”は従来と同一サイズの光ファイバ中に2本の純石英ガラスコアを有し、それぞれのコアで独立に光信号を送ることができるため、光ファイバ1本あたりの伝送容量を2倍に拡大することが可能。伝送損失は0.158 dB/km(波長1550nm、典型値)と極めて低く、大洋横断海底光ケーブルへ適用可能となる0.16 dB/km以下の極低損失ファイバに分類される。コア間クロストーク特性は対向伝搬時に-43dB以下の抑制を実現した。また、ガラス部、被覆部の外径はそれぞれ125μm、250μmと標準的な光ファイバと等しく、同等の機械的・環境的信頼性を有している。
(詳細は、https://sumitomoelectric.com)