October, 10, 2014, Gaithersburg--NISTの研究チームは、10.5m離れた面の高精細3Dマップを作成するレーザベースのイメージングシステムを実証した。この方法は、精密マシニングやアセンブリ、科学捜査など、様々な分野で有用となりうる。
NISTの3Dマッピングシステムは、レーザディテクション アンド レンジング(LIDAR)形態を統合したもので、以前に実証したように、周波数コムによって測距精度を持ち、弱い反射光を検出できる感度がある。周波数コムは、異なる光周波数を精密計測できるツールで、イメージングシステムで、レーザの連続調整に使用される。
わずか9mWのレーザパワーで動作するNISTの3Dマッピングシステムは測定対象を一点ずつグリッドに沿ってスキャンし、各点の距離を計測する。このシステムは、距離データを使用して、現在のスキャニングレートで、約100万ピクセルの3D画像を生成するのに8分半足らずでできる。多くの方向に光を反射する粗面上の点への距離は、1/2msで10µm以内に確定できる。周波数基準にトレーサブルな精度である。
同システムのダイナミックレンジは広く、多様な表面タイプや反射特性をもつターゲットの高精度3Dマッピングが可能である。NISTの研究チームは、土、サボテンのような植物(個々の針を画像化)、モーターサイクルのピストンのような複雑な機械的デバイスでスキャニングの範囲を確定した。
新しいNISTの方法は、従来の3Dマッピング技術に対して他に類のない能力を示すものである。NISTシステムは、例えば光コヒレントトモグラフィ(OCT)と似ているが、対象物から離して遙かに高速で動作し、周波数コムを用いるので、本質的に高精度である。NISTシステムはターゲットの隣にレファランスをおく必要はない、これは一般に干渉計ベースのシステムに必要とされるものである。
LIDARは一般に、レーザ光の往復飛行時間をベースにして距離を計測する。光はターゲットから反射され、センサで検出される。NISTのLIDARシステムでは、レーザは周波数帯にわたり連続的に掃引する。最初のレーザ出力が反射光と結合し、その結果得られる「ビート」信号が電圧に変換され、DSPで解析されて時間遅延データを生成する。このデータは距離の計算に使用される(送信信号と受信信号の周波数差は距離と共に増加する)。
基本原理は十分に確立されている。しかし、掃引レーザを連続的に調整する周波数コムを組み込むことによってNISTのシステムは遙かに迅速に動作し、1/2ms毎に1点を計測し、同時に周波数基準にトレーサブルなサブマイクロメートル精度を維持する。最後に、同システムはリアルタイム、高速処理デジタルエレクトロニクスを用いて完全にキャリブレートされた3Dメガピクセル画像を生成する。
アプリケーション例としては、NISTの3Dマッピングシステムは、土の中の足跡のような法的証拠の本当の型を造るのに使用できる。従来の石膏型で明確な証拠を記録するには、作製に大変な努力が必要であり、靴との相互比較が難しい。さらに、従来の解析は証拠を壊す。一方、リモートで作製する足跡の3D画像は、非破壊的に、写真よりも詳細に靴跡を正確に明らかにする。その接地面は、例えば、自転車ペダルからの個々の摩滅の跡、犯罪シーンの特定の靴につながる細部を明らかにすることもあり得る。
NISTのシステムには、すでにメーカー数社が関心を表明している。システムは、現状ではデスクトップサイズだが、将来的にはポータブル、チップスケール機器に適するものとなる。