September, 24, 2014, 東京--古河電工は、超高速光デジタルコヒーレント伝送装置の主要部品、小型ITLA(Integrable Tunable Laser Assembly)の開発に成功し、2014年9月より量産を開始した。
トラフィックの増加に対応するために、光の位相(波の状態)を用いることで、信号劣化に強く雑音の影響を受けにくい「光デジタルコヒーレント方式」による100Gbps の大容量伝送システムが世界中で本格的に導入されている。
また、さらなる超高速400Gbps光デジタルコヒーレント伝送の実現のために、周波数効率の向上を目指した技術開発も進められており、16QAM(quadrature amplitude modulation)多値変調技術、ナイキストフィルタ技術、周波数帯域をフレキシブル使用する光エラスティック技術などが、検討されている。
このような高速伝送システムに使用される光源には、小型、低消費電力、高性能が要求される。
古河電工は、光デジタルコヒーレント方式による大容量、超高速伝送システム用の小型ITLAの本格量産を開始した。同製品は、従来ITLAと同じOIF規格を維持したまま、小型化、低消費電力化、高性能化を実現したレーザ光源。小型パッケージモジュールの開発、電気回路の工夫を行うことで、従来ITLAの半分以下のサイズ(37.5x20x7.5mm)を実現し、消費電力はレーザチップの性能向上などにより、従来比30%の低減を達成した。
製品は、主要部材の半導体チップを日本国内で製造し、タイ王国における光部品製造会社にて、モジュール組み立てを実施する。
主な仕様
波長可変幅:1528~1564nm(Cバンド)/1570~1607nm(Lバンド)
光出力:16dBm
線幅 <300kHz
SMSR >40dB
平均相対強度雑音<-140dB/Hz
波長安定性<±1.5GHz
最少グリッド:0.1GHz
消費電力:4.5W