May, 27, 2022, Ulm--TRUMPF Photonic Componentsは、酸素分光センシング向けに次世代VCSELを発表している。
分光センシングソリューションは、酸素濃度などの関連パラメタをモニタするための最高パフォーマンスセンシング技術とされている。新世代の760nmと763nm TOパッケージVCSELは、性能信頼性を一層高める。これは、TRUMPFの新しい最先端の製造と加工プラットフォームにより可能となっている。波長760nmと763nmソリューション提供の利点は、背景ガスの影響が全くないこと。酸素以外のガスは、これらの放射波長では高吸収を示さないからである。「われわれは、集積、スマートVCSELソリューションを要求の厳しい生産システムへのコンポーネント組込を容易にしている。TRUMPFは、そのレーザ光源のノウハウを提供するだけでなく、それをアプリケーション、オプティクスおよび組立ノウハウと統合している」とTRUMPF Photonic ComponentsのVPー、マーケティング&販売、Ralph Guddeはコメントしている。
石油から医療産業までの酸素センシング
新しい760nmと763nm VCSELソリューションは、酸素濃度検出で様々な産業アプリケーションで有用である。「酸素センシングソリューションは、要求の厳しい産業環境だけでなく、自動車、医療現場でも利用されている。アクティブ温度および偏光制御を備えた当社のVCSELソリューションは、高分解能の幅広い検出範囲、ほぼ100%の精度を提供するとGuddeは説明している。
例えば、発電所、石油産業ではVCSELsは排ガス分析をサポートしている。他方で、パッケージ産業を考えると、VCSELsは、水ボトルなどの封止パッケージ内の酸素測定をサポートしている。アプリケーション分野は医療領域にも広がり、そこでは酸素センサは、人工呼吸器、酸素吸入器、インキュベータなどの医療機器で使用される。
これらのアプリケーションに役立つ揺るぎない技術は、いわゆる「チューナブルダイオードレーザ吸収分光」(TDLAS)。TDLASとシングルモードVCSELsは、理想的な組合せである。VCSELsは、その絶対対称ビーム形状、狭線幅と明確な偏光で高い精度と制御性を提供する。したがって、VCSELソリューションによりTDLASは、1秒以下でその場計測ができる無敵の計測速度を提供するハイパフォーマンスセンシング技術になる。非接触レーザ計測は、大きな温度範囲をカバーし、プロセス圧力や温度を同時に決定できる。これは、VCSEL材料の低い温度波長計数と集積TECにより可能になっている。計測機能を統合してた小サイズVCSELは、ハードウエア小型化要求に対処する完璧なソリューションとなっている。
どんな環境条件にも対応
TOパッケージの集積センサソリューションは、システムの複雑性を低減し、コスト優位性を備えたハイエンドセンシングソリューションを可能にしている。気密封止、堅牢ハウジングは、厳しい環境条件における外部要因を原因とする損傷リスクも最小化する。加えて、センサへの温度の影響はほとんどない。パッケージが、TECとサーミスタによる集積温度制御を備えているからである。大きな温度ウインドウを必要とするアプリケーションが実行可能である。ユーザが、波長を制御するためにレーザ温度を精密制御できるからである。
(詳細は、https://www.trumpf.com)