October, 11, 2021, 京都--ローム株式会社は、距離測定・空間認識用LiDARを搭載する産業機器分野のAGV(無人搬送車)やサービスロボット、民生機器分野のロボット掃除機などに向けて、高出力半導体レーザダイオード「RLD90QZW3」を開発した。
「RLD90QZW3」は、3D ToFシステムを用いて距離測定や空間認識を行うLiDAR向けに開発された、赤外75W高出力レーザダイオード。独自の素子開発技術を駆使し、出力同等のレーザダイオードとして業界最小の発光幅225µmを達成。一般品の290µmに比べて22%狭発光幅化したことで、高いビーム性能を実現した。同時に、発光強度の均一化とレーザ波長の低い温度依存性により、安定して高い性能を発揮できるため、さまざまな環境でLiDARの長距離対応・高精度化に貢献する。加えて、狭発光幅と背反になる電力光変換効率も一般品と同等の効率21%(順方向電流24A、75W出力時)を実現しており、消費電力の増加を気にすることなく採用することができる。
また、新製品の評価・導入に必要となる駆動回路の設計手法を記載したアプリケーションノートや、回路・光学シミュレーション用モデルなど、豊富な設計データをローム公式Web上に無償公開しており、素早い市場導入をサポート。
2021年6月よりサンプル出荷(サンプル価格 6,000円/個:税抜)を開始しており、2021年10月から当面月産20万個の体制で量産を開始する予定。インターネット商社のコアスタッフオンライン、チップワンストップからも販売している。
現在ロームは、レーザダイオードの120W高出力化および車載対応(AEC-Q102準拠)に向けた製品開発を進めている。今後は、自動車分野も含めて、安全で利便性の高いLiDAR搭載アプリケーションの開発に貢献していく。
(詳細は、https://www.rohm.com)