March, 3, 2020, 京都--島津製作所は、2月27日に水中光無線通信装置「MC100」を発売した。同装置は10メートル以上の距離で、95Mbps以上の通信速度による水中無線通信を可能にした。海底探査・パイプライン保守管理などに用いる無人潜水機(水中ドローン)向けに提供して、安定的な水中通信を実現する。
従来、水中での通信にはケーブルによる「有線」もしくは通信速度が低い「音波」が主流だった。前者はケーブルによって水中ドローンの活動に制限が生まれ、後者は数十kbpsの通信速度が限界。様々なメーカーが水中光無線の研究に取り組んでいるが、LEDを光源に使う製品が主流。島津製作所では、指向性と応答速度に優れた半導体レーザを源に用いて、「低消費電力のまま高速通信」という水中光無線通信装置「MC100」を開発した。この装置には、島津製作所と国立研究開発法人「海洋研究開発機構」(JAMSTEC)が取り組んだ、防衛装備庁の「安全保障技術研究推進制度」を利用しての研究開発の成果が活用されている。
水中光無線通信技術は、防衛・民生両方で活用できるデュアルユース技術。島津製作所航空機器事業部は今後も水中光無線通信技術の研究開発を進め、“水中光Wi-Fi”と呼べるような通信環境を構築する技術を提供していく。
新製品の特長
1. 95Mbps以上の高速通信
水中における安定的な高速無線通信を実現し、従来は不可能であった「ハイビジョン動画のリアルタイム通信」や「大容量ファイルの送信」などに活用可能。
2. 深海使用を可能にする耐水圧設計
水中ドローンの活躍が期待される深海域に対応した3500m以上の耐水圧性能とした。
3. 小型水中ドローンに適した重量とサイズ
送受信一体型の小型軽量ボディ(直径113mm×長さ250mm、重量2.85kg)のため、機器の搭載スペースに限りのある小型水中ドローンにも搭載が容易。
(詳細は、https://www.shimadzu.co.jp)