February, 9, 2018, Espoo--フィンランドのVTT技術研究センターは、コスト効果が優れたハイパースペクトラルイメージング技術を開発した。これは、コンシューマー機器への新しいAIアプリケーション導入を可能にする。
スペクトラルフィルタリング技術は、低コスト携帯電話カメラでも検出可能な近赤外波長(VNIR)を利用している。AIを使って、裸眼では見えない画像内の環境スペクトルデータを解釈する。
開発されたハイパースペクトルカメラは、人の目に見える赤色を超え、通常は標準的なカメラ画像から除外されるVNIR波長を使う。VNIR(very-near-infrared)範囲内のスペクトルデータにより、環境内の様々な対象物の材料と特性の検出とラベリングが可能になる。
画像オブジェクトのスペクトルデータは、例えば食品の安全性、鮮度に関係する情報を生成し、製品、薬品、セキュリティカメラの記録の真偽を区別するこの情報はさらに、センサデータ解釈のためにワイヤレスモバイルアプリケーションで利用可能である。その機能を日常的な環境に組み込んで、もっとインテリジェントにすることができ、またスマートホームシステムやアプライアンスに、モバイル機器、ロボット、自動運転車両に組み込むことができる。自動運転車両は、安全に動作するには、視覚情報を解釈する必要があるからだ。
「将来的に、車輌やシステムが自動化される比率が増加する。また、自動決定のために信頼度の高い視覚カメラ情報の必要性が高まる。画像に第3のスペクトル次元を加えることで、視覚カメラデータに基づいて判断するマシンビジョンやAIに依存する自動システムがより安全になる」とVTT研究チームリーダー、Anna Rissanenはコメントしている。
現在、市場にあるほとんどのハイパースペクトル画像は、まだ数千ドルから数万ドルのコストであり、これは例えばスマート冷蔵庫に組み込んで、食品鮮度を計測することはできない。他のスペクトルイメージング技術、最終製品コストを下げるために量産拡大を狙っているものは、一般に、個々のカメラセンサピクセルで直接固定波長フィルタ処理する。
「VTTの技術はシンプルな光パスを利用しており、このためモバイルカメラで使用される非常にコンパクトで低コストのオプティクスにさえ適合可能である。このようなことは、他のスペクトルイメージング技術ではできない。これは非常に大きな優位性である。これらのハイパースペクトルカメラセンサが非常にコスト効果よく量産できるからである」とリサーチサイエンティスト、Antti Näsiläは説明している。
新しいVNIR(600-900nm)ハイパースペクトルカメラセンサハードウエア部品表コストは、150ドルという新たな低コスト記録である。量産可能MEMS技術によりVTTのチューナブルフィルタ技術は、どんなカメラセンサにも組み込み可能であり、コストとサイズの大幅な増加はない。量産とキャリブレーション法により、カメラオプティクスを含むセンサコストは、<$20となる見込みであり、コアコンポーネント、MOEMSチップは1ドル以下のコストになると考えられる。
(詳細は、www.vttresearch.com)