October, 24, 2017, 東京--大林組は、特殊なセメント系材料を用いて、型枠を使わずに建築物や土木構造物の部材をさまざまな形状で自動製造できる3Dプリンターを開発した。
近年、石膏や樹脂などをインクとしてさまざまな物を積層造形する、3Dプリンターの利用が広がっているが、建設業界では建築物の模型製作などに使われる程度で、実際の建築物や土木構造物を対象とするまでには至っていない。
一般的に建築物や土木構造物にはコンクリートをはじめ多くのセメント系材料を用いるが、これらは十分な強度に達するまでに一定の時間を要することから、所定の形状と寸法を保つための型枠が必要となるなど、3Dプリンターの利用には多くの課題があった。
今回開発した3Dプリンターは、ロボットアームからインクを吐出し積層造形することで、建築物や土木構造物の部材を自動製造する。
インクは、デンカが開発した特殊なセメント系材料で、建築物や土木構造物に必要な強度と耐久性を持つとともに、吐出直後でも形状が崩れることなく維持される性質があることから、型枠を使わずに部材を製造することができる。
今回の開発により、これまでセメント系材料で製造する場合に非常に多くの時間と労力を要した、曲面や中空などさまざまな形状の部材を自動で製造することが可能となる。
大林組では、実際にこの3Dプリンターを使って中空の曲面形状のモルタルブロックを複製製造する実験を行い、これらを組み合わせたアーチ状のブリッジを製作することに成功した。
(詳細は、www.obayashi.co.jp)