February, 20, 2017, Magdeburg--フラウンホーファーの新しいアプリは、物の内部を直接見て特定成分を表示することができる。
リンゴが「有機」と表示されていても客はそれが着色されているか、あるいは販売者の説明が信じられるかどうかわからない。あるいは車が事故を起こしているかどうかもわからない。多くの状況で検証できない情報を受け容れなければならない。
フラウンホーファー研究所ファクトリーオペレーション・オートメーション(Fraunhofer Institute for Factory Operation and Automation) IFFの「HawkSpex モバイル」アプリによりコンシューマは、今後そのような情報を検証できるようになる。「スマートフォンを取り出してアプリを開き、スキャンする対象、例えばリンゴを狙えばよい。、そうすればほしい情報、例えばリンゴに農薬の残留物があるかどうかを知ることができる」。
そのようなスキャンができるシステムはすでに存在するが、ユーザーは通常、プリズムなどの追加部品を一体型カメラのフロントに取り付けなければならない。これはコスト高になり、非実用的で、スマートフォンのデザインの邪魔になる。「われわれのアプリが特別なのは、すでにスマートフォンに組み込まれているもの以外に何も必要としないことである」とフラウンホーファーIFFのエクスパートグループマネージャー、Udo Seiffert教授は説明している。
プリズムなしで開発はどのように進められたか。そのようなスキャンは通常、特別なハイパースペクトルカメラを必要とする。それが毎回、多様な色の光を調整し、対象によってどの程度の光が反射されるかを確定し、こうして対象の完璧なスペクトルフィンガープリントを生成する。開発チームは数学モデルを使って、そのスペクトルフィンガープリントから、その成分、対象についての情報を引き出す。「ハイパースペクトルカメラはスマートフォンには組み込まれていないので、われわれのこの原理を逆にしただけである。カメラからブロードバンドの3-chセンサを得る。これは、全ての波長をスキャンし、異なる色の光で対象を照射する」。カメラが異なる色で光度を計測する代わりに、ディスプレイが一秒の数分の一で一連の色で連続的に対象を照射する。したがって、もしディスプレイが対象に赤い光だけを照射すると、対象は赤い光だけを反射することになる、するとカメラは赤い光を計測するだけでよい。インテリジェントな解析アルゴリズムによりアプリは、スマートフォンの限られたコンピューティングパフォーマンス、カメラとディスプレイの限られたパフォーマンスを補完する。
そのアプリの最初のラボバージョンは完成している。研究チームは、様々な初期アプリケーションの開発に取り組んでおり、その後にプライベートユーザー向けに公開されることになる。システムはまず、レファランススキャンにより、リンゴが殺虫剤を含んでいるかの分析の仕方を教えられなければならない。
Seiffert教授によると、「HawkSpex モバイル」アプリの発売は、2017年末ごろになる見込みである。