December, 5, 2016, Hannover--フィンランドのVTT技術研究センターは、iPhoneカメラを新しい種類の光学センサに替えることで世界初のハイパースペクトラルモバイル機器を実現した。これによりコンシューマアプリケーションでローコストのスペクトラルイメージングが可能になる。コンシューマはモバイルフォン使って、例えば食品の品質検査、健康モニタリングなどができるようになる。
ハイパースペクトラルカメラは、従来高価であり、要求が厳しい医療や産業、宇宙、環境センシングに利用されてきた。コスト効果の優れた光学MEMSスペクトル技術により、環境センシング、車両やドローンからの観察など、新たなモバイルアプリケーションの開発が可能になる。他のアプリケーションとしては、健康モニタリング、食品分析が考えられる。このすべてが、スマートセンサとインターネットを結びつける環境の一部を形成する。
「コンシューマにとっての利点は健康アプリケーションに見られる。例えば、ほくろが悪性かどうか、食品が食べられるかどうかなどをチェックできる。また、製品の真贋、生体データに基づいたユーザの同定も可能だ。一方、無人車両は、画像の各ポイントで全光学スペクトル表現に基づいて環境特性をセンシングし、判定できる」とVTT研究チームのAnna Rissanen氏はコメントしている。
光スペクトルイメージングは、様々な物体をセンシングし、材料特性を分析する多様な方法を提供する。ハイパースペクトラルイメージングは画像の各点の光学スペクトルにアクセスし、幅広い計測を可能にする。調整可能な微小MEMSフィルタをカメラレンズに組込み、その調整をカメラの画像キャプチャシステムと同期させる。
「現在のスマートデバイスは、スペクトルデータに基づいた画像の処理や様々なクラウドサービスで膨大なチャンスを提供する。量産センサ技術により、現在ローコストカメラセンサが使用されている広範な機器で、ハイパースペクトラルイメージングの導入が可能になる」。