November, 8, 2016, 京都--島津製作所は、同社のハイエンドエネルギー分散型蛍光X線分析装置が、ドイツの連邦放射線防護庁(BfS)によって定められる安全認証「BfS型式認定」を取得したと発表した。これにともない、島津は型式認定を取得したエネルギー分散型蛍光X線分析装置「EDX-7000P」および「EDX-8000P」を欧州地域で市場投入し、現地での本格展開を図る。
エネルギー分散型蛍光X線装置は、蛍光X線の性質を利用し、サンプルを構成する元素の種類や濃度を非破壊で分析する装置。液体や固体、粉体など幅広い試料に対応でき、RoHS指令を始めとする規制の対象となる鉛やカドミウムといった有害元素のスクリーニング分析などの用途で、電機・電子およびその関連メーカーを中心に導入が進んでいる。前処理が比較的簡便であり、装置の高感度化が進んでいることから、近年は、医薬品や食品に混入した不純物の分析や材料解析のほか、研究用途でもニーズが高まってきている。島津のエネルギー分散型蛍光X線装置は、過去10年間で全世界累計6,000台を超える販売実績がある、と同社は説明している。
「BfS型式認定」は、ドイツで定められる極めて厳格な安全規格を満たさなければ取得できず、フランスやイタリアなど近隣諸国でも効力を有している。EU圏内で「BfS型式認定」を取得していないエネルギー分散型蛍光X線装置を導入する場合、ユーザはX線に関する安全講習や監査を受けなければならず、運用上の負担となっていた。
島津は、エネルギー分散型蛍光X線分析装置を欧州でも本格展開するため、最新のエネルギー分散型蛍光X線分析装置「EDX-7000」および「EDX-8000」の機構や制御系における安全性を強化し、型式認定を取得した。エネルギー分散型蛍光X線分析装置を製造・販売している国内企業としては、島津製作所の装置が唯一型式認定を取得している(島津調べによる)。
「EDX-7000P」と「EDX-8000P」の特長
Na~Uまでの元素を検出可能な「EDX-7000P」およびC~U までの元素を検出可能な「EDX-8000P」は、液体窒素による冷却が不要な高性能半導体検出器を搭載しており、優れた感度を実現。優れた分析能力に加え、欧州地域向けに安全性を高めており、本体ふたの開閉監視機構の追加や、故障時にX線の発生を遮断する新しい二重回路設計によってX線の漏洩を防止する。
(詳細は、www.shimadzu.co.jp)