October, 27, 2016, 小山--ギガフォトンは、現在開発中のEUVスキャナー用レーザ生成プラズマ(LPP)光源の、最先端半導体量産ラインでの稼働を想定したパイロット光源が完成し、95%の高デューティ、平均出力100Wの安定運転で、世界最高水準である発光効率5%を実現したと発表した。
これまでギガフォトンは、20µm以下の微小ドロップレットの供給技術、固体レーザによる改良型プリパルスと新たに導入した三菱電機製高周波放電励起式三軸直交型CO2レーザ増幅器による高光品位メインパルスビームの組み合わせ、エネルギー制御技術の改善、およびギガフォトン独自の技術である磁場を使ったデブリ除去技術を開発してきており、7月にはプロトタイプ機において130W以上の連続運転を達成した。今回のパイロット光源は、EUVスキャナに組み込むことを前提として設計されたシステムに、これらの新技術を組み込んだものであり、プロトタイプ光源よりも遥かに高いデューティ比(発光期間の運転時間に対する割合)95%で、出力105Wの安定運転、発光効率5%に成功した。これは半導体生産のスループットを決定する平均出力で100Wに相当し、ユーザーの現時点での要求を上回る性能と言える。その運転実証に成功したことは、最先端半導体ラインの実現に大きく近づいた証と言える。
ギガフォトン代表取締役副社長兼CTOである溝口計氏は、次のようにコメントしている。「最先端半導体量産ラインでの稼働を想定したパイロット光源で、95%の高デューティおよび平均出力100Wの安定運転にて、世界最高水準の5%の発光効率で実現できたことは高出力、低ランニングコストでの安定稼働可能なEUV光源が、いよいよ市場導入間近であること示している。このようなギガフォトンの高度な技術力と量産に向けた開発努力は、次世代露光技術としてのEUVスキャナの開発を加速させるとともに、半導体産業の発展に寄与し、IoT社会の実現に貢献するものと確信している」。