February, 4, 2014, 東京--富士通研究所と古河電気工業は、サーバ機器内の高速データ伝送を実現する光インターコネクト向けに、多数の光ファイバを一括で接続する多心光コネクタを共同開発した。
富士通研究所の設計技術と古河電気工業の製造技術を活かし、サーバ内で利用できる簡易構造の多心光コネクタを開発。今回、開発した技術の特長は以下のとおり。
・光ファイバの接続時にわずかに変形するバネ機構を形成した光コネクタを新たに開発。これにより長さがばらついている光ファイバを、光コネクタの変形により長さに応じて微小にたわませることで、すべての光ファイバの端面をそろえることが可能となる。
・光ファイバの端面をレーザー加工で形成することで、研磨と同様な端面形状を実現し、光ファイバ同士を隙間なく接触することが可能となる。
これらの技術を組み合わせることで、研磨工程を用いることなく、従来の多心光コネクタと同等の低損失(≦0.2 dB)で光ファイバ同士の接続を実現した。
開発した光コネクタは、費用がかかっていた研磨工程が不要となり、従来の半分以下の費用で、従来と同等性能を実現。光コネクタをボードに設置する際には、富士通研究所と古河電気工業が合わせて開発している、少ないスペースで4つの光コネクタを収容可能な光コネクタハウジングを用いると、最大96本のファイバの接続が可能。
今回開発した技術により、サーバ機器内のボード間で光インターコネクトを安価に使用することができ、将来のサーバ機器の高性能化を実現できる。
富士通研究所と古河電気工業は、2016年頃のサーバ機器適用を目指して開発を進める。また、サーバ機器内に限らず、ラック間を接続する光ケーブルなど様々な用途への展開を図る。