January, 23, 2014, Dresden--ヨーロッパの共同研究プロジェクトTACOでは、ロボットが一段と難しい作業ができるように新しいタイプの3Dカメラシステムを開発している。
フラウンホーファーIPMSは、このプロジェクトに、重要なハードウエアとして新しいMEMSスキャン技術を提供する。これにより、関連する周辺のモノが一段と高い解像度、人の視覚と同程度に検出でき、しかもデータ量は増やさなくてもよい。
フラウンホーファー(Fraunhofer)IPMSの研究チームは、TOF(time of fly)テレメータシステム用に、非常にコンパクトなスキャニング技術LinScanを開発した。これはマイクロシステム技術の製法をベースにしたもので、柔軟性のあるスキャニングレート、適切な分解能のスキャニングで3Dイメージングの取得ができる。LinScanを実装した3Dカメラシステムにより、将来世代のロボットは、視野に現れる対象物を大雑把にスキャンし、探している対象物だけをより高い精度で解像する。そのロボットは、相対的に少ないデータ量で動作し、周辺物に対する理解を深め、日常的なものやわれわれの環境との相互作用を改善する。
いわゆる陥凹形成原理実現の前提条件は、ロボットが探しているモノを知っている、探しているモノを瞬時に特定し判断できることである。ハードウエア(眼)とは別に、それに対応するイメージ解析ソフトウエアアルゴリズム(脳)も必要となる。さらに、ロボットはイメージセンサとソフトウエアを備えていて、周辺空間を3D認識し、数々の対象物に正確に移って行くことができなければならない。これらの要求のすべてを満足するために、フラウンホーファーIPMSはTACO(Three dimensional Adaptive Camera with Object Detection and Foveation)プロジェクト内で他の研究機関および企業と協働し、新しい適応型カメラシステムを開発した。このシステムの要諦は、フラウンホーファーIPMSの5つのLinScanミラーと同期動作する光スキャナである。MEMSスキャナアレイは、実際上5㎜のTOFテレメータシステムのために必要な受信開口部を保証しており、適応型3Dカメラシステム向けに設計されている。光スキャニングレンジは少なくとも40°×60°、TOFテレメータシステムの計測レートは1MVoxel/s、測定距離7.5mで3㎜の不確かさ。マイクロスキャナの準静的駆動により可変リフレッシュレート<1~100Hzで詳細な画像形成が可能になる。また、関連する画像セクションにおける垂直計測点密度は、スキャニングレートを減らすことで局所的に増える。ジンバル搭載1.6kHz共振マイクロミラーによる水平画像取得は、2D準静的ドライブに比べて受信開口部が大きくなり、最高80°までの同時光スキャニング角度のTOF距離測定の分解能が高くなる。
詳細は、2月にサンフランシスコで開催されるPhotonics Westで紹介される。