March, 16, 2016, San Jose--IDT (Integrated Device Technology, Inc.)は、Prodrive Technologiesと提携し、さまざまなワイヤレスアプリケーションやデータセンタアプリケーションの開発に必要とされる超低遅延、広帯域幅、高エネルギー効率を実現する新しいRapidIO対応スイッチアプライアンスポートフォリオを開発した。
100nsのスイッチレイテンシを特長とする新しいアプライアンスは、5GやC-RAN、モバイルエッジコンピューティング、ハイパフォーマンスコンピューティング(HPC)、データ解析、金融取引といった分野のソリューション設計に最適である。
今回の新製品は、IDTが共同議長を務めるオープンコンピュートプロジェクト(OCP)ハイパフォーマンスコンピューティング(HPC)グループの枠内で両社が協力した結果生まれた。このスイッチアプライアンスは、今日4G LTEを通じて行われているほぼすべての通話やダウンロードで利用されているIDTのRapidIOテクノロジーを活用している。
RapidIOスイッチは、SoCやDSP、FPGA、GPU、カスタムASICなど、処理能力重視の高度なシステムを構成する各種のコンピューティングコンポーネントを接続する際に利用される。IDTはこれまでに10~20GbpsのRapidIOポートを1億1000万個以上出荷しており、稼働中のネットワークで実際に利用されている。また、新しいアプライアンスポートフォリオでは、このような第2世代スイッチを利用した製品だけでなく、IDTが先日発表したRXS RapidIOスイッチファミリを採用した製品も開発されている。RXSファミリを利用することで、ポートあたり1.2W未満の消費電力と100nsのレイテンシを実現しつつ、最大50Gbpsの速度でポートを稼働できるようになる。
IDTのCTO/グローバルオペレーションズ部門担当VP、Sailesh Chittipeddi氏は、「5Gのインフラでは、往復1ms以下という厳しいレイテンシ要件が求められており、ネットワーク内のあらゆるコンピューティング要素に対して大きな課題が突き付けられている。今回の新しいRapidIOベーススイッチアプライアンスは、レイテンシとエネルギー効率に関して業界トップクラスの性能を併せ持っている。Prodrive Technologiesとのコラボレーションにより、通信分野の5GエッジコンピューティングやC-RANをはじめとして、HPCやデータセンタの解析で求められる要件を満たす製品が誕生した」とコメントしている。
ポートあたり20Gbpsの速度で38ポート構成の新スイッチアプライアンスを活用した最初のシステムが、すでにワイヤレスC-RANシステムやデータ解析システムに導入されている。次の製品は、19インチラックに取り付け可能なシステムに、ポートあたり50Gbpsで稼働可能なIDTのRXSスイッチシリコンポートフォリオを採用したもので、2016年下期に供給開始が予定されている。
新スイッチアプライアンスは、スケーラブルなモジュール式で、32~96個のポートに対応。ラックスケールやマルチラックスケールのクラスタ化をサポートし、さまざまなCPUやアクセラレータによるヘテロジニアス処理に対応するアプリケーションをターゲットとしている。複数のスイッチアプライアンスによって、1つのネットワーク内で最大6万4000個の処理ノードをRapidIOプロトコルを利用してリーフ/スパイン型ネットワークに接続できる。個々のポートは、それぞれ異なる速度で稼働するよう設定することが可能で、1Gbps、2.5Gbps、5Gbps、10Gbps、20Gbps、40Gbps、50Gbpsの中から選択できる。これにより、アプリケーションの作業負荷に応じて、システム全体の消費電力を最適化することができる。