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薄膜PV製造の成長を後押しするシリコン不足とPVモジュール需要増

November, 17, 2015, Wellesley--BCCリサーチによると、シリコン不足とPVモジュール需要増加が薄膜PV製造の成長を後押しする主要な要素になっている。
 エネルギーコスト上昇と気候変動に対する懸念から、太陽電池(PV)技術などの再生可能エネルギー源に対する関心が著しく高まっている。PV分野における継続的な進歩は、大幅なコスト低下と相俟って、そうした技術の普及を後押ししている。結晶シリコンPVセルに対する需要が近年増加しているが、その低い効率と高い製造コストのために業界は高い変換効率を持つ、より安価な代替電池を探さざるを得なくなっている。
 エネルギー応用での薄膜の世界市場は、CAGR 33.7%で成長して、2015年、2020年にそれぞれ197億ドル、841億ドルに達すると予測されている。エレクトロニクスや半導体産業の発展と平行して、薄膜市場は最近数年で進化した。PVは歴史的に見て、薄膜を活用する主要技術であり、現在市場で優位を占め、市場シェアは85%超となっている。サイズは小さいが薄膜バッテリ市場は予測期間において力強い成長が見込まれている。
 APACは主要市場であり、世界の薄膜市場の45%以上を占める。この地域はCAGR 32.3%成長が予測されている。これは、原材料が入手でき、需要が増加していることから、メーカーが製造をこの地域に移転しつつあるためである。中国、日本、韓国、台湾、インドは、APACにおける薄膜の主要製造地である。
 結晶シリコンと薄膜PVセルは、業界では最も多く太陽電池に利用されている。結晶シリコンPVセルは市場で優位を占めているが、薄膜PVセルも重要度を増し始めている。結晶シリコンPVセルは現在、市場シェア全体の約80%を占めているが、シリコン不足と高い製造コストのために、この数字は予測期間を通じて低下する見込みである。
 「現在のシナリオでは薄膜市場は建物組込太陽電池(BIPV)アプリケーションが優位を占めている」とBCCリサーチのアナリスト、Abhigyan Gupta氏は説明している。「BIPVアプリケーションでは、CdTeセルが市場の大半を占めている。これは、変換効率が10.7%で、このアプリケーションに適しているからである。現在の変換効率7~14%が今後3~4年で、9~17%に改善されることは業界の主要関心事となっている」。