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名大発 “GaN系”技術で半導体製造の重要課題を打開

September, 10, 2025, 名古屋--2025年9月下旬、名古屋大学発スタートアップ企業の株式会社Photo electron Soul(以下PeS社)と名古屋大学 天野・本田研究室が共同で研究開発を進めるGaN系半導体フォトカソード技術について、キオクシア岩手株式会社(岩手県北上市 KIOXIA岩手)が導入評価を開始する。

これまでにPeS社と天野・本田研究室は、GaN系半導体材料を用いた次世代光電子ビーム源(GaNフォトカソード)の共同研究を行ってきた。PeS社は、この共同研究成果を活用したGaNフォトカソードからの光電子ビーム技術を用いて、微小MOSトランジスタやアスペクト比の高い構造を持つ、実際の半導体デバイスの電子顕微鏡撮像により、半導体デバイス製造の歩留まり改善に資する検査・計測に対する新しいアプローチの有効性を実証してきた。

これらの成果は、従来技術では困難だった半導体製造の前工程での電気的な非接触検査・計測のみならず、高アスペクト構造深部領域における欠陥や形状の検査・計測までの可能性を拓くものであり、半導体デバイス製造における有効な解決策が無かった歩留まり課題に対して、新たなソリューションを提供すると期待される。

KIOXIA岩手はこれらの実証を受け、将来的な製造ラインにおける基盤技術としての導入を見据え、製造現場における評価を開始する。今後、実際の工程における欠陥検出や原因特定等の歩留まり向上に対するこの技術導入効果を詳細に検証していく方針である。

この取組みは、大学発技術の社会実装モデルとしても注目されており、大学発スタートアップと大手企業の連携による半導体製造革新の具体的な一歩となるものである。

(詳細は、https://www.nagoya-u.ac.jp/researchinfo/result/2025/09/-gan.html