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世界の産業用ロボット市場、2024年に5.8%減

August, 27, 2025, London--Interact Analysisによると、2023年の世界の産業用ロボット業界の大幅な低迷は2024年を通じて続き、収益は前年比5.8%減少した。
マーケットインテリジェンスの専門家による最新のレポートによると、これは平均価格の下落と相まって、年間にわたる製造業活動の落ち込みによる需要の低迷が原因となっている。2024年、製造業は西側市場の高金利とアジアの需要の低迷により厳しい年を迎える中、すべての主要地域で生産への投資が鈍化した。さらに、産業用ロボット市場内の熾烈な競争により、ロボットメーカーの利益率が大幅に圧迫され、多くの新興ブランドが市場シェアのために収益性を犠牲にしている。

しかし、マクロ経済が徐々に景気後退から脱却する兆候があり、その結果、産業用ロボット業界は2025年に徐々に回復する見込みである。とはいえ、欧州は2024年に市場が8.1%縮小したため、今後数年間は遅れをとるとみられている。

主要地域と業界における産業用ロボットのパフォーマンス
産業用ロボット市場全体は2024年に減少したが、主要地域のパフォーマンスは異なった。APAC地域は、ベンダーの集中度が高く、注文量が多いため、ロボットの価格は他の主要地域よりも低く、世界の産業用ロボット市場を支配している。Interact Analysisは、ロボットの増加する需要に伴いAPAC地域は時間の経過とともに着実に成長し続けると予測しているが、南北アメリカ地域は米国のリショアリングイニシアチブ(海外の拠点を国内に戻すこと)とラテンアメリカの可能性の高まりに支えられ、市場での地位を維持すると予測している。EMEA地域の長期的な見通しはそれほど前向きではなく、産業用ロボット市場は今後5年間で他の2つの地域と比較してCAGR(年平均成長率)が鈍化すると予測されている。それにもかかわらず、産業用ロボットにとって第2位の市場であり続ける見込みである。

業界固有のパフォーマンスの観点から見ると、自動車産業は2024年に苦戦し、エレクトロニクス、金属、プラスチック、ゴムなどの一般製造業でも産業用ロボットの需要が減少した。しかし、食品・飲料やライフサイエンス産業などの消費者関連産業における産業用ロボットの需要は、より回復力を示した。

Interact AnalysisのリサーチアナリストSamantha Mouは、最新の産業用ロボットレポートについて次のようにコメントしている。「産業用ロボット市場は、2023年のスランプから下降が続いた。しかし、2025年には3つの主要地域すべてでロボット市場が徐々に回復し、2026年にはより強い成長が見込まれる。南北アメリカとアジアでは、市場センチメントが改善の兆しを見せており、マクロ経済が景気後退から徐々に抜け出す可能性があるという心強い兆候がある。とはいえ、ヨーロッパでは回復の兆しは依然として弱く、EMEA地域の成長予測は依然として低くなっている。それにもかかわらず、ヨーロッパのより広範な製造業が世界経済サイクルの恩恵を受けると予想している」。