QD-OLED、2025年OLEDモニタ出荷の73%を占める

April, 30, 2025, Taipei--TrendForceの最新の調査によると、OLEDディスプレイの継続的な進歩がQD-OLEDモニタの出荷量の増加を推進していることが明らかになった。
QD-OLEDのOLEDモニタ出荷台数に占める割合は、2024年の68%から2025年には73%に増加すると予想されており、ハイエンドモニタ市場での強力な競争力を浮き彫りにしている。市場の需要の高まりに後押しされて、より多くのブランドと製品ラインがQD-OLEDを採用して、ゲーマーやプロのユーザに優れた画質とリフレッシュレートを提供することが期待されている。

27インチUHD製品や、リフレッシュレートの高いQHD 500Hzモニタの登場が注目されている。これらのモデルは、ゲームやプロユースに強い魅力を提供し、QD-OLEDモニタの採用の主要な推進力となっている。27インチモデルにおけるQD-OLEDの普及率は、製品ラインアップの拡大と継続的な技術改善により、2024年の32%から2025年には47%に増加すると予測されている。

QD-OLEDは、耐久性とコストの課題に直面しているものの、優れたビジュアルを提供する
TrendForceによると、QD-OLEDの主な利点は、青色OLED光を使用して量子ドットを励起し、純粋な赤と緑の光を放出することにある。このデザインにより、明るさ、彩度、色域のカバー率が向上し、より明るく、より鮮やかで、細部までこだわったビジュアルが実現する。

とは言え、QD-OLEDが青色光に依存しているため、パネルの寿命に影響を与える可能性があり、暗いシーンでの残留周囲光は、暗いシーンでの不要な量子ドット放出を引き起こし、視覚的な鮮明さを損なう可能性がある。最近の開発には、グリーン発光層の追加が含まれており、発光効率を30%向上させ、エネルギー消費と画質の両方を改善している。

一方、PICOインクジェットは、量子ドットインクのより正確な蒸着を可能にし、140 PPIのピクセル密度を達成し、32インチパネルで4K解像度を可能にし、プレミアムモニタスペースにおけるQD-OLEDの競争力をさらに向上させる。

TrendForceの「OLEDパネルコスト」に関する最新のレポートでは、発光材料とQDフィルムがQD-OLED製造コストの最大シェアを占めていることが指摘されている。しかし、インクジェットプロセスでは、現在、ノズルあたり20%のインクが無駄になっている。新規開発のリサイクル技術により、インクの残量を最大80%回収し、コスト削減と材料効率の向上に貢献する。

さらに、SDCによるQD-OLED生産ラインの廃止は2027年に完了すると予想されており、生産コストが削減され、QD-OLEDモニタの競争力と採用が促進される。SDCはまた、バーンインに対処し、パネルの寿命を延ばすために、それまでに新しい発光材料ソリューションを採用することを計画している。

TrendForceの「OLED技術と市場分析」はさらに、OLEDのTV市場が超大型LCDの人気の高まりとMini LEDバックライトのコスト競争力によって制約を受けていると指摘している。しかし、IT分野でのOLEDの採用はまだ初期段階にあるものの、顧客の関心は高い。

QD-OLEDおよびWOLED技術は、輝度やその他の仕様で競争を続けており、産業用制御システム、公共情報ディスプレイ、ますます普及している透明ディスプレイなど、IT以外の新しいアプリケーションでOLED採用促進が期待されている。