エッジAI市場、2030年までに664億7000万ドル

February, 18, 2025, San Francisco--Grand View Research, Inc.の新しいレポートによると、世界のエッジAI市場規模は2030年までに664億7000万ドルに達すると推定され、2025～2030年にかけてCAGR 21.7%で成長すると予測されている。
リアルタイムの仮想現実エクスペリアンス、自動運転車、ミッションクリティカルなアプリケーションなどの分野で5Gの需要が高まっていることから、エッジAIのイノベーションがさらに進んでいる。IoTベースのエッジコンピューティングサービスに対する高まる需要は、市場の成長を促進すると予想される。IoTは、収集が困難または不可能な大量のデータを生成する。また、エッジAIは、膨大なセンサデータをローカルに分析し、運用上の意思決定を自動化することで、IoTデータのフル活用を可能にする。

エッジコンピューティングは、AI処理タスクをクラウドからニアエンドデバイスに転送することを可能にし、それにより、高遅延やセキュリティの欠如など、従来のクラウドコンピューティングに固有の問題を克服する。さらに、エッジAIは、低遅延と帯域幅の要件により、技術の進歩により人気が高まっている。例えば、2020年6月、台湾に拠点を置くエッジコンピューティング製品を製造しているADLINK Technology Inc.は、日本を拠点とするディープテックスタートアップTier IVおよび台湾の工業技術研究院(ITRI)と協力して、エッジAIを活用した自動運転を実現した。この提携は、高度道路交通システムの開発を支援するオープンソースの自動運転技術の開発を加速することを目的としている。

エッジAIをAIデバイスに統合することで、他の場所にデータを送信することなく、マシン上でのデータ処理が可能になる。これにより、処理時間が大幅に短縮され、ポジティブなユーザエクスペリエンスの育成に多大な影響を与える可能性がある。AI計算をネットワークエッジに再配置することで、新しい製品やサービスを含む様々なアプリケーションの機会が生まれる。例えば、2022年7月、台湾のコンピュータハードウェア製造会社Innodisk Corporationは、エッジコンピューティングのソリッドステートドライブ製品ラインをリリースした。エッジサーバ内のエッジAI SSDは、ソースでデータを高速で処理し、遅延を改善し、コストを削減することを目的としている。

エッジAIコンピューティングと5Gは、ネットワーク効率を向上させ、インテリジェントな監視とセキュリティのためのAIベースのリアルタイムビデオ分析、スマート農業、工業生産の自動化など、様々なリアルタイムAIアプリケーションをサポート、展開する。多くの企業は、高度なビデオ監視分析によって提供される監視ディメンションに対する高まる需要を満たすために、カメラ性能向上ハードウェアを開発、アップグレードしている。例えば、2023年3月、イスラエルの半導体メーカーHailo AIは、AI中心のビジョンプロセッサHailo-15を発表した。このプロセッサは、インテリジェントカメラに直接統合して、エッジでのビデオ処理と分析を強化することを目的としている。

エッジAI市場レポートのハイライト
・ハードウェアセグメントはエッジAI業界を支配しており、2024年の収益シェアは52.76%。

・ソフトウェアセグメントは、予測期間中にCAGR 24.5%で大幅に上昇すると予想されている。

・IT・テレコムセグメントが市場を独占しており、2024年の収益シェアは21.1%となっている。

・北米はエッジAI業界を支配し、2024年の収益シェアは37.7%だった。