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Vector Photonicsとグラスゴー大学、面発光レーザデバイスの開発で提携

April, 1, 2024, Glasgow--Vector Photonicsとグラスゴー大学(University of Glasgow)の先駆的なエンジニアリングユニットは、製造および消費者向け製品で使用できる革新的なレーザを開発するための提携契約を締結した。
この契約により、グラスゴー大学のスピンアウト企業Vector Photonicsは、同大学の半導体レーザ研究開発における世界的に有名なセンター・オブ・エクセレンスであるジェームズ・ワット・ナノファブリケーション・センター(JWNC)内に拠点を置くCritical Technologies Accelerator(CTA)と緊密に連携する。この新技術には、表面発光レーザデバイスと、表面から光を放出するいわゆるPCSELsシステムが含まれており、多くの新しいアプリケーションに組み込むことができる。その技術は、製造プロセス中の様々な材料の切断に使用できる。また、PCSELシステムは低電力で動作するため、次世代の拡張現実(AR)や仮想現実(VR)ヘッドセットに統合することもできる。

Tony Kelly教授が指揮するCTAは、イノベーション・アクセラレータ・レベルアップ・プログラムの一環として英国政府の資金提供を受けるグラスゴー市地域の11のプロジェクトのうちの1つである。同チームは、Vector Photonicsのように、戦略的資金調達によって量子およびフォトニクス事業クラスタの成長を可能にするスコットランド西部の企業の特定に取り組んでいる。CTAは、設計、テスト、製造で企業をサポートし、JWNCとグラスゴー大学の学術研究者の専門知識を活用して、複数の業界パートナーが既存および新規の新興市場の両方に革新的な製品を提供できるようにする。

Vector PhotonicsのCEO、Neil Martinは「Vector Photonicsとグラスゴー大学による表面発光レーザデバイスの加工とモデリングのコラボレーションは、CTAから授与された最初のものである。この分野における当社の先駆的な研究を活用し、PCSELsを含む面発光レーザの商業化加速に役立つ。その結果、レーザと関連するシリコン導波路設計は、AIおよびデータセンタアプリケーションにおいて、省電力効率に不可欠な利点を提まする。

「当社のソフトウェアモデリングとプロトタイプデバイスのテスト結果は相関しており、この研究と今後の研究の成功に自信が持てる。このプロジェクトは、特に関連性がある。と言うのは、数十億ドル規模の電子ソフトウェアモデリング企業であるSynopsisとAnsysが合併し、フォトニクスのコンピテンシーを強化しているからである。

CTAディレクタ、Tony Kelly教授は、「CTAとVector Photonicsのコラボレーションは、双方にとって重要な前進である。われわれの設計・製造能力により、われわれは研究開発能力をサポートし、PCSEL技術の商業化までの時間を短縮することができる。これは、Critical Technologies Acceleratorの重要性と、スコットランドの製造拠点が新技術の開発において地元のサプライチェーンとの協力支援にどのように有用であるかの完璧な実証である」とコメントしている。
(詳細は、https://www.vectorphotonics.co.uk/)