エッジコンピューティング市場規模、2030年までに1559億ドル

March, 18, 2024, San Francisco--Grand View Research, Inc.の新しいレポートによると、エッジコンピューティングの世界市場規模は2030年までに1,559億ドルに達し、2024～2030年にかけてCAGR 36.9%で拡大する見込である。
エッジAIシステムは、企業がミリ秒単位でリアルタイムに意思決定を行うのに役立つと推定されている。大量のデータを送信する際に関連するプライバシーの懸念を最小限に抑える必要性や、組織のデータ伝送能力を制限する遅延や帯域幅の問題は、今後数年間で市場の成長を促進すると予測される要因である。

機械制御と精密監視は、エッジのAIに適した利用例である。高速稼働の生産ラインの遅延要件は最小限に抑える必要があるが、これはエッジコンピューティングを使用することで実現可能である。データ処理を製造施設に近づけることは非常に重要であり、AIを使用して実現できる。AIベースのエッジデバイスは、センサ、カメラ、スマートフォン、その他のIoTデバイスなど、幅広いエンドポイントデバイスで活用できる。

さらに、通信エッジは予測期間中に飛躍的的に成長すると推定されている。テレコムエッジは、通信事業者が所有する施設で運用されている通信事業者のミニデータセンタに隣接してコンピューティングを実行する。Telstra や Telefonica など、いくつかの通信事業者は、エッジ コンピューティング と統合されたオープンアクセスネットワークのプロトタイプとパイロット プロジェクトを開発している。エッジは、5G技術が完全に展開されれば、通信業界の最前線に立つことになる。通信業界はエッジ コンピューティング を強化する絶好の立場にあるが、テレコム事業者はバリューチェーンを上っていかなければ、無関係なエッジサプライヤーによって短縮されるリスクがある。

現在、エッジ コンピューティング のユースケースは、初期のインフラストラクチャ展開を上回っており、エッジ コンピューティング インフラストラクチャとユースケースへの投資に勢いを与えると予測されている。エッジコンピューティングは、予測期間中に、よりユビキタスになり、プラットフォーム中心のソリューションへと進化すると予測されている。この展開により、エッジプラットフォームは、オーケストレーションソフトウェアと高度な管理を使用してインフラストラクチャの複雑さを軽減し、プログラマーが革新的なエッジサービスとアプリケーションを実装するためのユーザフレンドリーな環境を提供できる。

エッジ コンピューティング 市場レポートのハイライト
・予測期間中、エッジサーバセグメントは活況を呈するハードウェアセグメントになると予想されている。いくつかの産業分野でのエッジサーバの需要増は、このセグメントの有望な成長見通しが主要因である。

・アプリケーション面では、AR/VRセグメントは、エッジコンピューティングの潜在的な発展を提供するセルラーネットワークの開発により、かなりのCAGRで進歩する見込である。例えば、ユーザに高品質のVRエクスペリエンスを提供するために、Ericssonは無線インフラと5Gコアを改善した。

・業種別では、データセンタセグメントが推定期間中に最高CAGRで成長する見込である。これは、エッジデータセンタが一貫性のない接続を克服し、エンドユーザ近くでデータを計算および保存するという事実に起因するものである。

・APAC地域は、同地域での5Gの出現とIoT搭載デバイス増により、推定期間中に最高CAGRで拡大すると予想されている。5G対応アプリケーションをサポートするための通信事業者のエッジインフラストラクチャの進化は、5Gネットワークの立ち上げによって加速されると予想されている。