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「内観的」AI、多様性によるパフォーマンス改善を確認

November, 15, 2023, Raleigh--NC Stateによると、内面に目を向け、独自のニューラルネットワークを微調整する能力を持つ人工知能(AI)は、多様性の欠如よりも多様性を選択した場合に、より優れたパフォーマンスを発揮することが、新しい研究で明らかになった。その結果、多様なニューラルネットワークは、複雑なタスクの解決に特に効果的だった。

ノースカロライナ州立大学(NC State)の物理学教授、ノースカロライナ州立大学非線形人工知能研究所(NAIL)所長、この研究の共同執筆者、William Dittoは、「われわれは、人間以外の知能である人工知能(AI)を使ったテストシステムを作成し、AIが多様性の欠如よりも多様性を選択するかどうか、そしてその選択によってAIのパフォーマンスが向上するかどうかを調べた。鍵となったのは、AIが内面を見つめ、どのように学習するかを学習する能力を与えることだった」と説明している。

ニューラルネットワークは、われわれの脳の働きに大まかに基づいた高度なタイプのAIである。われわれの自然なニューロンは、それらの接続強度に応じて電気インパルスを交換する。人工ニューラルネットワークは、トレーニングセッション中に数値の重みとバイアスを調整することで、同様に強力な接続を作る。たとえば、ニューラルネットワークは、大量の写真をふるいにかけ、その写真が犬のものかどうかを推測し、犬がどれだけ離れているかを確認し、現実に近づくまで重みとバイアスを調整することで、犬の写真を識別するようにトレーニングできる。

従来のAIはニューラルネットワークを使って問題を解決していたが、これらのネットワークは通常、多数の同一の人工ニューロンで構成されている。これらの同一のニューロン間の接続の数と強度は、学習するにつれて変化する可能性があるが、ネットワークが最適化されると、それらの静的ニューロンはネットワークになる。

一方、Dittoのチームは、ニューラルネットワーク内のニューロン間の数、形状、接続強度を選択する機能をAIに与え、学習しながらネットワーク内に様々なニューロンタイプと接続強度のサブネットワークを作る。

「われわれの本当の脳には、複数の種類のニューロンがある。したがってわれわれは、AIに内面を見つめ、ニューラルネットワークの構成を変更する必要があるかどうかを判断する能力を与えた。基本的には、独自の脳のコントロールノブを与えました。そのため、問題を解決し、結果を見て、最も有利なニューロンが見つかるまで人工ニューロンの種類と組み合わせを変更することができる。これはAIにとつてメタ学習である」と、Dittoは,説明している。

「われわれのAIは、多様なニューロンと均質なニューロンのどちらを選ぶかを決めることもできる。さらに、すべての事例で、AIはパフォーマンスを強化する方法として多様性を選択していることがわかった」(Ditto)。

研究チームは、AIに標準的な数値分類の練習を行わせてAIの精度をテストした。その結果、ニューロンの数とニューロンの多様性が増加するにつれて、その精度が向上することがわかった。標準的な均質なAIは57%の精度で数字を識別でき、メタ学習型の多様なAIは70%の精度に達することができた。

Dittoによると、ダイバーシティ(多様性)ベースのAIは、振り子の揺れや銀河の動きの予測など、より複雑な問題を解決する際に、従来のAIよりも最大10倍の精度を発揮する。

「AIに内面を見つめ、学習方法を学習する能力を与えると、AIの内部構造(人工ニューロンの構造)が変化して多様性を受け入れ、効率的かつ正確に問題を学習して解決する能力が向上することがわかった。実際、問題がより複雑で混沌とするにつれて、多様性を受け入れないAIよりもパフォーマンスがさらに劇的に向上することもわかった」と、Dittoはコメントしている。
(詳細は、https://news.ncsu.edu)