July, 18, 2023, Northbrook--マーケッツ&マーケッツ(MarketsandMarkets)のレポート「極紫外(EUV)リソグラフィ市場、製品(光源、マスク、オプティクス)、エンドユーザ(総合半導体企業(IDM)とファウンドリ)、地域(アメリカ、ヨーロッパ、APAC)、2028年までのグローバル予測」によると、EUVリソグラフィ市場は、2023年の94億ドルから、2023ー2028年にCAGR 21.8%成長で2028年までに253億ドルに達する見込である。
多くの半導体企業が、EUVリソグラフィシステムと装置に投資しており、これがEUVリソグラフィ市場の成長機会となっている。EUVリソグラフィ市場は、現在、成長フェーズにあり、EUV装置を提供している複数のプレイヤが存在する。APACが、EUVリソグラフィ市場の成長に大きく貢献しそうである。同様に、アメリカとヨーロッパが、予測期間に成長市場となる見込である。
EUV光源セグメントが予測期間に最高CAGR成長の見込み
EUV光源は、半導体産業内におけるEUVリソグラフィシステムで使用される重要コンポーネント。現在、EUV光を生成する優勢技術は、レーザ生成プラズマ(LP)。そのようなLP EUV光源の顕著な例は、半導体装置のトップメーカー、ASMLが開発したものである。ASMLのLP EUV光源は、ハイパワーパルスレーザを使ってスズ(Sn)液滴、またはスズ博膜を照射する。強力なレーザエネルギーが、スズ材料を素早く加熱して気化させ、その結果プラズマが生成される。プラズマが冷えて再結合すると、それが波長約13.5nmのEUV光を放出する。このプロセスは、EUVリソグラフィ技術を使い最先端の半導体製造を可能にするために必須である。
複数の企業が、EUV光源でビジネスを拡大しつつある。例えば、Energetiq Technology Inc.は、2022年12月、EUV光源製品のための特徴的な事業セグメント設立を発表した。同社の新しいEUV Businessセグメントは、全てのコア技術、エンジニアリング、マーケティング、フィールドサービス、運用人員をEUVジェネラルマネージャ指導の下に寄せ集める。
IDMは、EUVリソグラフィ市場で著しい成長が見込まれている
IDMは、ICs、チップを内部で設計、製造、マーケティングする完全なプロセスを取り扱う会社。EUVリソグラフィのコンテクストでは、この技術に特化したIDMは、EUVリソグラフィに関わる全ての側面に全責任を負う。EUVリソグラフィシステムの設計および開発から、EUVリソグラフィ技術を利用するICsの製造までである。EUVリソグラフィにおけるIDMとして、企業はEUVリソグラフィ設計および半導体製造の両方で専門技術を持つことになる。EUVL技術の進歩のためにR&Dに投資し、そのパフォーマンスを最適化、製造プロセスを強化する。一般的には、IDMsは、この先端技術を使ってチップを製造するためのEUVリソグラフィシステムを設置した独自の製造工場を運用する。
EUVリソグラフィは、半導体製造で極めて重要な役割を担っている、またEUVL技術を専門にするIDMsは、その採用を促進し、IC機能の限界を押し広げる上で重要な役割を果たしている。これらの企業は、EUVリソグラフィが提供する利点を活用することで最先端の半導体デバイスの開発に貢献している。
ASMLは、EUVリソグラフィ技術とシステムをIDMs(統合デバイスメーカー)に提供するサプライヤ。一方、Carl Zeiss AG, TOPPAN Inc., およびNTT Advanced Technology Corporationなど他の企業も、EUVリソグラフィオプティクス、光源、マスク、計測ツール、センサおよびEUV Lithography Subassembly製品を含めリソグラフィ装置の開発に積極的に関与している。
APACでは韓国が最高CAGR成長の見込み
韓国は、EUVリソグラフィの進歩と採用で重要な役割を担っている。同国は、世界の半導体産業における強力なプレゼンスで知られており、主要プレイヤは、SamsungおよびSK HYNIX INCなど。これらの会社は、EUV技術に積極投資しており、それを自社の製造プロセスに統合している。Samsungは、EUVリソグラフィで大きな進歩を遂げ、それを使って最先端の半導体チップを製造している。その技術的な専門知識、R&D能力、EUVインフラストラクチャへの巨額投資により韓国は、EUVリソグラフィの継続的な開発と広範な実装に貢献しており、半導体産業におけるイノベーションを促進している。
予測期間にAPACは最高成長率の見込
APAC地域は、EUVリソグラフィ、半導体製造で使用される先端技術の領域で重要な役割を担っている。同地域のEUVリソグラフィ市場を評価すると、中国、日本、台湾、韓国およびAPACの他の部分の諸国を網羅している。チップメーカーの強力なプレゼンスが、EUVリソグラフィの高需要を生み出しており、その継続的な開発と最適化に貢献している。さらにAPAC地域は、スマートフォン、タブレット、様々な電子機器を含むコンシューマエレクトロニクスの大きな市場を誇る。小型、高速、よりエネルギー効率のよい半導体に対する伸び続ける要求が、EUVのような先端的リソグラフィ技術の採用を後押ししている。EUVリソグラフィにより、高密度、高性能のチップの製造が可能になり、これは、APAC地域におけるコンシューマエレクトロニクス市場の要件を満たすために極めて重要である。