量子コンピューティング産業規模、2028年に43億7500万ドル

March, 29, 2023, Northbrook--マーケッツ&マーケッツ(MarketsandMarkets)のレポート｢量子コンピューティング市場、提供品､導入(オンプレミスとクラウド)、アプリケーション(最適化、シミュレーション、機械学習)､技術(トラップトイオン、量子アニーリング、超伝導qubits)、エンドユーザと地域、2028年までのグローバル予測」によると、市場は、2023年に8億6600万ドル、2023-2028年にCAGR 38.3%で成長し、2028年に43億7500万ドルに達する見込である。
量子コンピューティング市場の成長に寄与する主因は､様々な産業や分野で量子コンピューティング技術への投資増、量子コンピューティング技術の進歩に向けた戦略的なパートナーシップや提携数の急増が､中でもこの市場の成長を後押しする要因に含まれる。

超伝導qubitsが、予測期間に最大シェアとなる見込
超伝導qubitsは、他のqubitsに対して複数の利点がある。低消費電力、高速、低温動作能力。さらに、このタイプのqubitによって可能になる高度な制御性は、量子シミュレーション、暗号法、量子コンピューティングなど､様々なアプリケーションで利用できる。近年、多くの企業が超伝導qubitsで目覚ましい進歩を達成している。例えば、2022年11月、IBMは、Osprey､新しい433-量子ビット(qubit)量子処理ユニット(QBU)、世界最大の超伝導量子プロセッサを発表した。

銀行&金融セグメントが、予測期間に量子コンピューティング市場で最大シェアの見込
銀行&金融産業では量子コンピューティングは、リスクモデリングアプリケーションや取引戦略に使われる。また､市場の不安定性検出、取引軌跡最適化、ポートフォリオ、資産評価やヘッジ最適化に使われる。金融分野は理解が困難であるので量子コンピューティングアプローチは、ユーザにはその複雑性理解に役立つ。さらに、トレーダには、金融問題克服のためのソリューション提示により有用となり得る。銀行や金融機関、ヘッジファンド調達者などは、量子コンピューティングシステムやサービスの重要採用者である。投資の動的ポートフォリオからのリスクを最小化し、利得を最大化するのに役立つからである。銀行や金融産業における量子コンピューティングの潜在的な利用例には、ポートフォリオ分析、不正検出、最適化、資産評価、サイバーセキュリティシステム量子証明、高頻度取引などが含まれる。

機械学習(ML)アプリケーションが予測期間に最速成長率
量子コンピューティングとMLは、二つの密接に関連した研究分野である。量子コンピューティングは、われわれがデータ処理方法を変革する可能性があり、MLは、そのデータを利用するための強力なツールである。両者を組み合わせることで研究者は、新しいアルゴリズムを開発できると考えている。量子コンピューティング独自の特性を利用して、困難な問題を､より速く、効率的に解決するアルゴリズムである。すでに量子強化マシンラーニングアルゴリズの実証成功の数は多く、その分野は急成長している。量子コンピューティングやMLの潜在的ユーザに含まれのは以下の通りである。複雑な制御システムの最適化、より効率的なサーチアルゴリズムの開発、金融データ分析の自動化、より正確な人工知能システムの作成、より優れた量子暗号法アルゴリズムの開発、マシンラーニングシステムの改善、医療画像分析の強化、量子コンピューティングシミュレーションの改善。

北米が、予測期間に量子コンピューティング市場の二番目に大きなシェア
北米は、予測期間に量子コンピューティング市場で二番目に大きなシェアとなる見込である。この地域の市場の成長は、北米の重要量子コンピューティングシステムやサービスのプロバイダが存在することによる。また、宇宙&防衛、化学、銀行&金融など個別産業で量子コンピューティン゛アプリケーションの採用が増加するためである。