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ニューロモルフィックコンピューティング市場、2030年に202億7210万ドル

January, 10, 2023, San Francisco--Grand View Researchのレポートによると、世界のニューロモルフィックコンピューティング市場規模は、2022-2030年にCAGR 21.2%で成長し、2030年に202億7210万ドルに達する見込である。
 人工知能やマシンラーニング技術の需要増が、ニューロモルフィクコンピューティングでソフトウエア利用増となり、より優れたICsの製造要求の促進が、ニューロモルフィックコンピューティング市場成長の原因。

AI活用ニューロモルフィックチップは、自動車産業で高需要がある。低消費電力、高スループットのAIアルゴリズム開発の一貫した要求が存在するからである。さらに、ニューロモルフィックチップは、分類法に理想的であり、様々な自動運転シナリオで利用できる。例えば、2020年12月、Mercedes-Benz AGは、 Intel Neuromorphic Research Communityと提携した。目的は、自動車関連AIアプリケーションでニューロモルフィックチップが、エネルギー効率、スピード、正確さをどのように改善できるかを調べること。

ヘルスケアアプリケーションにおけるニューロモルフィック技術の利用増は、市場の成長に貢献する。さらに、ニューロモルフィックデバイスは、AIと組み合わせて、個人の健康問題検出に役立つ。例えば、2022年8月、米国シカゴ大学Pritzker School of Molecular Engineering(分子工学)の研究者は、ウエアラブルニューロモルフィックコンピューティングチップを開発した。このチップは、健康データを分析するために、ウエアラブル技術とAIおよびマシンラーニングを融合することで開発された。

ニューロモルフィックコンピューティングは、神経科学からの観察を利用して生物学的脳のように機能するチップを作る。狙いは、様々なアプリケーション、音声、視覚、ジェスチャ認識、ロボット工学、検索などで、エネルギー効率、計算速度、学習効率の改善。例えば、2021年10月、Intelは、Loihi 2,第2世代ニューロモルフィックリサーチチップと、神経からヒントを得たアプリケーションやコンピューティングを作るためのオープンソースソフトウエアLavaをリリースした。

ニューロモルフィックコンピューティングが提供する利点は、最小の電力要件で高速並列処理など。それは、フォン・ノイマンアーキテクチャにおけるコンポーネント間往復データ移動を必要性もなくする。これは、画像や信号処理アプリケーションでその採用を促進すると予想されている。さらに、コンシューマエレクトロニクス、自動車、ヘルスケア、軍&防衛分野における採用見込が、市場成長の原動力に大きく関わると見られている。

ニューロモルフィックコンピューティング市場レポートのハイライト
・コンシューマエレクトロニクスセグメントが、2022年、最大収益シェア、57.93%。これは、コンシューマエレクトロニック装置におけるIoTやAIベース技術組込と結びついたエレクトロニクス産業の動的成長に起因する。
・エッジセグメントが、収益シェア74%を上回り、市場で優勢。これは、自動車の応答音声制御、タッチレスインタフェースの全身ジェスチャ認識、支援ロボティクス向けのオンボードインテリジェンスなどのアプリケーションでエッジコンピューティング利用の増加によるものである。
・ソフトウエアセグメントは、予測期間に最高CAGR 26.9%成長が見込まれている。航空宇宙&防衛、IT、テレコムなど多数の産業でソフトウエアニーズが増えているためである。
・2023~2030年、APACが最高CAGR 22.7%成長が予想されている。この成長は、急速な技術進歩、スマート電子装置の消費増、インドや中国などの経済圏でソーシャルネットワーキングの突出的増加によるものである。