December, 20, 2022, Hannover--高速、高均一性と優れたコーティング品質、これらの特性は、物理的気相成長法だけでなく原子層堆積(ALD)にも適用される。BeneqとLZHは、前例のないスピードで複雑な形状のオプティクスコーティングに利用できる空間ALDシステムの開発のために提携した。
フィンランドALD装置サプライヤBeneqのALDシステムC2Rは、堆積レート最大1µm/時間の堆積レートで最大200rpmのスピードを達成する。ALDは、自己制御、等方性プロセスであり、サイクル毎に約1Åの層厚を製造する。これにより、膜厚を限りなく制御でき、導波路、レンズやドームなど向けの複雑な3D物体やナノ構造に完璧な共形膜を堆積できる。
コーティング時間の大幅な減少
空間ALDシステムの核心は、ターンテーブル。これは、バッチALDシステムで使用されるようにガス注入の一時的分離の必要性をなくする。代わりに、圧力と窒素カーテンが、システム内の4つのゾーンを幾何学的に分離する。ターンテーブルの1回転が、ALDの1サイクルに相当。回転中に、異なる点でサンプルを必要な反応物にさらす。長い浄化ステップなしで、空間ALDシステムは、従来のサーマルALD工程と比較してコーティング時間を大幅に短縮するので、装置を生産スケールのALDコーティングにできる。
複雑な物体のコーティング、シンプルかつ高速
Beneqは、新興の光学コーティングニーズに応えるために、LZHとともに同システムを開発した。LZHの光コンポーネント部長、Dr. Andreas Wienkeは、「そのALDが光学コーティングに簡単に適応できることに驚いた」と言う。「例えば、強く湾曲した小さな非球面レンズを考える。古典的なPVDプロセスでは、湾曲面にコンフォーマルコーティング達成はほぼ不可能である。また、エリア全体で同じ反射率あるいは透過率はほぼ不可能である。ALDでは、達成は極めて簡単で容易に思われる。
精密で再現性のあるコーティングのブロードバンドモニタリング
LZH独自の現場モニタリングツールが、先頃、C2Rの機能改善に実装された。「LZHのブロードバンドモニタリングシステムBBMは、複雑なコーティングを次のレベルへ進める。層成長の高分解能モニタリングにより、オンライン計測だけでなく、コーティングの即時再設計も可能であり、非常に精密かつ再現性のある薄膜を製造できる。新しいBBMとロードロックの追加により、顧客に極めて効果的なツールを提供でき、ALDは光学コーティングには一段と高信頼になる」とBeneq Advanced ALDのVP、Sami Sneckは,話している。
空間ALDは、多くの点で、イオンビームスパッタリングのようなPVDプロセスに適合する。複雑な形状やナノ構造のコーティングでは、それは最大限に活用できる。現在、LZHは、空間ALDアプローチで、VR/ARグラスで使用する光学グレーティング構造やポリマ光学レンズのコーティングに取り組んでいる。
(詳細は、https://www.lzh.de)