May, 14, 2021, San Francisco--Grand View Research, Inc.の調査レポートによると、世界のエッジコンピューティング市場規模は、予測期間にCAGR 38.4%で成長し、2028年には611億4000万ドルに達する見込である。
エッジAIシステムは、ミリ秒でリアルタイム決定を出すエンタプライズにとって有用である。大量データ転送に関わるプライバシー問題、遅延と帯域に関係する問題を除去する必要性が次の数年で市場の成長を促進すると見られている。
精密モニタリングと機械制御は、エッジにおけるAI利用に適した利用事例の一部である。高速動作製造ラインで、遅延要件は最小でなければならない。これは、AI導入によって達成可能である。AIベースエッジデバイス、チップなどは、スマートフォン、カメラ、センサ、他のIoTデバイス、多くのエンドポイントデバイスで利用可能である。
さらに、テレコムエッジは、予測期間に飛躍的に成長する見込である。テレコムエッジは、独自の特性に基づいてテレコが所有、運用するミニデータセンタ付近でコンピューティングを実施する。Telefonica や Telstraなど、様々な通信サービスプロバイダが、エッジコンピューティングを備えたオープンアクセスネットワークのパイロットプロジェクト、プロトタイプに関わっている。5Gが完全に展開されると、エッジは、テレコム分野の先頭に立つことになる。テレコム分野は、エッジコンピューティングから利益を得る例外的な位置にあるが、通信会社は、バリューチェーンを登らないと、無関係なエッジプロバイダに追いやられる危険性がある。
現在、エッジコンピューティングの利用事例は、最初のインフラストラクチャ導入を凌駕し、新たなエッジコンピューティング利用事例とインフラストラクチャ投資の誘因となる見込である。予測期間で、エッジコンピューティングが普及し、プラットフォームセントリックソリューションへ移行する見込である。この移行によりエッジプラットフォームは、インフラストラクチャの複雑さを低減できる。これには、高度な管理とオーケストレーションソフトウエアを利用する。さらに、革新的なエッジアプリケーションやサービスを導入する開発社は使いやすい環境を比較的容易に展開できるようになる。
エッジコンピューティング市場レポートのハイライト
・エッジサーバが、予測期間に最速成長ハードウエアセグメントになる見込である。同セグメントの有望な成長見通しは、様々な業種でエッジサーバ需要の増加によるものである。
・アプリケーションでは、AR/VRセグメントが大きなCAGRが見込まれている。これは、セルラネットワークの成長によものである。つまり、その成長がエッジコンピューティングに成長機会を作ったのである。例えば、エリクソンは、同社の5Gコアと無線インフラストラクチャを最適化して、高品質VRエクスペリアンスが提供できるようにしている。
・業種では、データセンタセグメントが、予測期間に最高CAGR成長が見込まれている。これは、エッジデータセンタが、中間接続を克服し、エンドユーザ近くでデータを蓄積、コンピュートすることに帰着できる。
・APAC地域は、予測期間に最高CAGRとなる見通しである。これは、IoT組込デバイス数の増加、同地域に5Gが登場するためである。5Gネットワークの展開は、テレコエッジインフラストラクチャの展開に寄与する。これは、5G対応アプリケーションをサポートするためである。
・主要市場プレイヤは、Cisco Systems, Inc.; Moxa Inc.; Sierra Wireless; およびBelden Inc.。