Business/Market 詳細

産業製造でマシンビジョンシステム設置、2025年に1億に迫る

February, 18, 2020, Singapore--マシンビジョンは、確立された既存プレイヤによる成熟技術である。しかし、チップセット、ソフトウエアおよび標準の大きな進歩が、ディープラーニング(深層学習)イノベーションをマシンビジョン分野に持ち込んでいる。
 ABIリサーチの最近の分析によると、マシンビジョンセンサとカメラの総出荷は、2025年に1690万に達する見込であり、産業製造分野でマシンビジョンシステムのインストールベース(設置)は9400万マシンビジョンシステムとなる。そのインストールベースの11%が深層学習ベースとなる。

マシンビジョンシステムは、バーコードリーディング、品質制御の製造ライン、在庫管理で不可欠な要素である。「これらのソリューションは、多くの場合、置き替えサイクルが長く、中断しにくい。自動化需要が増加しているため、マシンビジョンは、新しいアプリケーションに進みつつある」と主席アナリスト、Lian Jye Suは言う。「例えば、ロボットは、マシンビジョンの新たな成長分野である。協働ロボットは、誘導と物の分類ではマシンビジョンに依存する、一方モバイルロボットは、SLAMと安全性でマシンビジョンに依存している」。

従来のマシンビジョン技術とは違う種類、ディープラーニングマシンビジョンはデータ駆動であり、統計的アプローチを利用する。これによりマシンビジョンモデルは、より多くのデータがトレーニングとテスト用に収集されるに従い改善されていく。主要なマシンビジョンベンダは、ディープラーニングベース機械学習の潜在性を認識している。例えば、Cognexは、SUALABを買収した。同社は、産業アプリケーション向けに深層学習を使い視覚ソフトウエアを開発している韓国企業。Zebra Technologiesは、Cortexica Vision Systems Ltd.を買収。同社は、ロンドンのB2B AIベースコンピュータビジョンソリューション開発社。

同時に、チップセットベンダは、深層学習ベースマシンビジョンの実装を容易にするために新たなチップセットとソフトウエアスタックを発売している。FPGAベンダ、Xilinxは、Versal ACAP System on Chip(SoC)を組み込むために、カメラセンサメーカーSony、カメラベンダ、FramosやIDS Imagingなどと密接に協力している。一方、IntelはOpenVINOを開発者に提供している。様々なコンピューティングアーキテクチャで推論ソリューションを提供するための共通APIにより事前訓練深層学習ベースマシンビジョンモデルを導入するためである。別のFPGAベンダ、Lattice Semiconductorは、同社のsenseAIスタックによる組込Vision用のローパワーAIに集中している。これは、ハードウエアアクセラレータ、ソフトウエアツール、レファランスデザインを提供するものである。これらの技術スタックの狙いは、開発と導入課題を容易にし、プラットフォーム密着性を実現することである。

標準最前線では、ベンダは、10GbEと25GbEカメラを産業アプリケーションに持ち込もうとしている。ビデオキャプチャと圧縮技術の継続的なアップグレードにより、深層学習ベースマシンビジョンモデルの画像と映像品質の改善につながる。これは、マシンビジョンの将来性を保証するものである。「マシンビジョンシステムを選択するとき、最終実装者は、マシンビジョン要件を理解し、バックエンドシステムとの統合を考慮する必要がある。また、適切なエコシステムパートナーを決める必要がある。マシンビジョン技術は継続して進化、改善しているので、導入の柔軟性と将来のアップグレード性、拡張性が重要である」とSuは結論づけている。
(詳細は、https://www.abiresearch.com/)