December, 3, 2019, Boulder--ナビガントリサーチによると、3Dプリンティング技術を利用した住宅建設を、スタートアップ、haus.meが始めた。
haus.me構造は、3Dプリンティング、スマートホーム技術、ゼロエミッション、独自の電力、水、汚水処理システム、電力網に接続しない機能を持つ点を特徴としている。同社の住宅は、必ずしも格安品ではない。電力網接続モデルは、20万ドルだが、特注で電力網に接続しない機能も可能。魅力的な持続可能性だけでなく、同社によると、住宅は、4~7週間で製造できる。標準的な材料を使う従来の現場建設は、完成までに数ヶ月かかる。
同様の3Dプリント住宅を売り出す企業は他にもあり、ICONによると米国で初めて認可された3Dプリント住宅は、テキサス州オースチンに建設された。それ以来、同社は、Vulcan IIプリンタを発売し、2000平方フィートの住宅まで製造可能だという。
また、別の企業、Apis Corは、2020年に米国でデモンストレーションハウスを建設する予定。
3Dプリントされた住宅の利点と欠点
3Dプリンティング技術を住宅建設に利用することには、いくつかの利点がある。従来の方法に比べてコスト低減が可能。原材料と労賃が減少するからである。3Dプリンティングによる建設は、無駄が少ない。3Dプロジェクトは、業界の推定によると、従来のプロジェクトが生み出していた廃棄物の30%しか廃棄物を出さない。3Dプンティングの利用は、建設時間の短縮となり、約6週である。一般的な新築住宅では6ヶ月必要である。3Dプリンティングは、よりクリエイティブで、利用しやすいデザイン形状という効果がある。
とはいえ、住宅の3Dプリンティング普及を行き詰まらせる障害もある。一つは、標準を定義する規制と建設基準法の欠如である。この障害は、克服可能であるが、規制機関が技術に精通し、適切なルールを作るまでに時間がかかる。また、現状では、利用できる材料に制限がある。当座、プロセスは、プラスチックとコンクリートに限定され、木材、スチールを必要とする住宅は、まだ従来の製品を使う必要がある。さらに、3D専門家が不足していること。3Dプリンティングプロセスを使って住宅を設計し、建設したことのある建築家、エンジニアがほとんどいないこと。これは、変わる見込みがあるが、当座は課題である。
こうした障害にもかかわらず、住宅の3Dプリンティングは静かに前進している。今後10年程度で、3Dプロセスはさらに成熟し、受け容れられていくとナビガントリサーチは見ている。
(詳細は、https://www.navigantresearch.com/)