May, 9, 2014, Portland--アライドマーケットリサーチ(Allied Market Research)は、「量子ドット(QD)市場、2020年までの予測」調査レポートを発表した。
それによると、世界の量子ドット市場は2013年に3億1600万ドルだったが、2014-2020年の予測期間にCAGR 29.9%で成長して2020年には5億4000万ドルに達する。しかし、消費量の成長率はこれよりも遙かに大きく、同一期間に116.5%、2020年に72トンに達すると予測されている。量と金額との大きな成長差は、予測期間中の価格下落が大きいためと同社は分析している。この価格下落は、製造技術と量産工程の改良と需要増による。
QD市場成長の原動力は、太陽エネルギーの電力への効率的な変換、ディスプレイ機器での利用拡大など。加えて、この技術は従来技術に比べて効率の点で優れている。競争シナリオから見ると、ディスプレイや照明装置メーカーは、QDベースの製品の市場投入に意欲を燃やしている。これが、現在の量子ドット市場成長の主因となっている。「QDディスプレイ市場は今後飛躍的に伸びる。大手企業がQD技術提供企業と提携してQDディスプレイ、特にTVを商品化しようとしているからだ。QD技術によりカラーディスプレイのパフォーマンスは少なくとも50%向上する、またこれはエネルギー効率が優れた技術でもある」とアナリストのShreyas Naidu、Priyanka Gotsurve両氏は分析している。
とはいえ、現状はこの技術のコストが高いこと、また研究拡張によって採用が遅れていることが、市場成長の制限要因となっている。しかし、量産と大量購入によりコスト問題は迅速に解消するとアナリストは見ている。さらに、この技術の新しい分野への浸透、例えばセキュリティ&防衛、食品、パッケージングなどが、この市場の成長の重要な推進力になる。また、今後コスト効果の優れた新しい材料を利用することでQD市場は、有機色素(ダイ)のような他の競合材料に対して競争優位性を獲得するものと考えられる。
地域的には、早期採用により北米が最大売上シェアを持つ。この地域は堅調に成長して、2020年の市場規模は19億2000万ドルに達する見込だ。しかしAPACは、2013-2020年の予測期間でCAGR 30.4%、最高の成長率が予測されている。