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信憑性を保護するAI駆動イメージングシステム

August, 2, 2019, Brooklyn, New York--写真やビデオを改竄する高度な方法を阻止するために、NYU Tandon School of Engineeringの研究者は、人工知能(AI)を利用して、取得からデリバリまでの情報ルート全体を通じて画像を確認する実験的技術を実証した。

試験では、このプロトタイプイメージングパイプラインは、画像品質を犠牲にすることなく、約45~90%以上の小細工を検出する可能性を向上させた。

 写真やビデオが本物であるかどうかを判断することは、ますます難しくなっている。写真やビデオを改造する高度な技術は、いわゆる「ディープフェイク」が当たり前になるほど簡単に利用できるようになった。「ディープフェイク」とは、人を信用させる、時には有名人や政治家などを含む、操作された写真やビデオのことである。

 NYU Tandonのコンピュータサイエンス・工学部准教授、Pawel Korusは、今回のアプローチの開発者。同アプローチは、一般的な写真現像パイプラインを、AIの1形式、ニューラルネットワークで置き換える。これは画像取得の瞬間に、注意深く作られた人工物を画像に導入する。この人工物は、「デジタルすかし」に近く、小細工に対して極めて敏感である。

「これまでに利用された透かし技術と異なり、このAI学習の人工物は、写真の小細工の存在だけでなく、その特徴も暴く」とKorusは説明している。

 そのプロセスは、秘密裏の埋込に最適化されており、オンライン写真共有サービスにより適用された画像歪を存続させることができる。
 そのようなシステムをカメラに組み込むことの利点は明白である。

「カメラ自体が、改造に敏感な画像を生成するなら、どんな調整も高い確率で検出される」とNYU Tandonコンピュータサイエンス・工学教授、Nasir Memonは話している。同氏は、その技術を詳述する論文の共同著者である。「これらのすかしは、後処理されても存続する。しかし、変更に対しては極めて脆弱である。画像を変更すると、すかしは壊れる」と同氏は指摘する。

 画像の信憑性を決めるほとんどの他の試みは、最終成果のみを調べる。これは、保証が難しいことで有名である。

 研究チームは、一方で、最新のデジタルイメージングはすでにマシンラーニングに依存していると論じている。スマートフォンで撮った全ての写真は、ほぼ瞬時の処理で微光を調整し、画像を安定化する。この両方ともオンボードAIによるものである。今後、AI駆動処理が、従来のデジタルイメージングパイプラインに完全に取って代わりそうである。この移行が起こると、Memonは、「画像の完全性や信憑性に関して、次世代デバイスの機能を劇的に変更するチャンスがある。科学捜査に最適化されたイメージングパイプラインは、真実とフェイクとの間で自信をもって線引きすることが難しい領域で、信頼性の要素回復に役立つ」とコメントしている。
 研究チームによると、研究成果は試験でその有望性を示しているが、システムの改善にはさらなる研究が必要である。このソリューションはオープンソースであり、利用可能である。
(詳細は、https://engineering.nyu.edu/)