December, 7, 2018, 東京--ノバンタ・ジャパン(Novanta Japan)は、2018年9月27日、カンタムエレクトロニクスとのシンラッド(Synrad))ビジネス移管合意により、シンラッドのCO2レーザに関する商権はNovantaJapanへ移行すると発表した。
これにともない、カンタムでシンラッドのビジネスに携わっていた6名はノバンタジャパンのフルタイム従業員となる。ノバンタジャパンの現在のスタッフは約30名であるが、今後人員を増強していく予定。
シンラッドビジネスのノバンタジャパンへの移管の理由についてNovantaは次のように説明している。
「Novantaは、すでに巨大企業に成長しており、日本を含めAPACの顧客に直接製品とサービスを提供できる。したがって、20年以上にわたるカンタムとのパートナーシップから直接販売へ移行する。そうすることで、日本およびAPACの顧客へのサービス提供は、一段と改善される」と説明している。
シンラッドの戦略
シンラッドは、Novantaのビジネスユニットの一つでCO2レーザにフォーカスしている。
Novantaのビジネスユニットは、シンラッドの他に、Cambridge Technology、 Celera Motion、JADAK、Laser Quntum、NDSがある。
これらのビジネスユニットのうち、シンラッドは特にケンブリッジ・テクノロジーとのコラボレーションを強調している。
ケンブリッジは、ポリゴン、ガルバノメータなど、ビームステアリングの設計、開発、製造で約50年の歴史を持ち、積層造形(AM)、レーザマーキング、ビアホールドリリング、OCTなどをターゲット市場としている。
CO2レーザメーカー、シンラッドのターゲット市場の一つにもAMがあり、同社によるとCO2レーザ波長は、様々なポリマの選択的レーザ焼結(SLS)に適している。
こうしたことから、Novantaがシンラッド製品を直接販売することで、日本を含むAPAC市場でも、:ケンブリッジの製品と組み合わせたサブシステム(オプティカルエンジン)が提供されるようになる。これは、これまでのカンタムによるレーザ単体販売ではできなかったことである。
この点について、シンラッドの販売担当シニアディレクタ、Phil Wescottは、「Novantaのビジネスユニットの一つであるシンラッドは、統合ソリューションを顧客へ提供できる唯一の企業である。われわれは、これをオプティカルエンジン、またはオプティカルシステムと言っている。これはシンラッドが顧客に提供できる強みであり、今までカンタムではできなかったことである。今後は、成長市場に対して統合ソリューションを提供していきたい」とコメントしている。
Novantaでは、特に強調したい点として、「アプリケーションラボラトリ」「アプリケーションエンジニアリング機能」を挙げている。同社の説明によると、これらにより顧客へ提供できる価値は強まる。「顧客は、サンプルを当社に提供し、それをわれわれが共有し、顧客がアプリケーションについて課題としていることについて、当社はより優れた能力、技術を提供できる。われわれのチームは、高度に訓練されたプロである。したがって、パートナーシップにより顧客の問題を、コスト効果良く解決することができる」と説明している。
今回の、Novantaによるシンラッド製品直接販売は、顧客に「統合ソリューション」を提供できるようになることで、日本を含むAPACの顧客にとっては、これまでにない価値得られることになる。
Novanta Inc
Novantaは、2016年にGSI Group Incから、社名をNovanta Incに変更した。Novantaの意味は、The Innovation Advantageであり、「イノベーションと顧客とのコラボレーション」を同社の価値提案の核に据えている。
8月に発表した同社の2018年第2四半期GAAP収益は、前年比26%増、1億5040万ドル。
また、最近のニュースリリースでは、Laser Quantumの発行済み株式、残りの24%を4570万ドルで買収したと発表している。
(詳細は、https://www.novanta.com)