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エンタプライズ3Dプリンティング市場予測

September, 5, 2017, London--ABIリサーチ(ABI Research)は、最近のB2B技術調査で、製造業の44%が3Dプリンターを稼動させているが、その導入のほとんどはプロトタイピング目的のみであることが分かった、とレポートしている。
 これは次の10年で変化すると同社は見ている。理由として同レポートは、米国連邦航空局(FAA)及び欧州航空安全機関(EASA)が商用ジェットエンジン用3Dプリント部品の利用増を承認しており、他の業界でもアディティブマニファクチャリング(AM)専門家が量産実現のために革新を続けていることを挙げている。
「航空宇宙OEMs、病院、歯科、およびそのサプライヤーはすでに3Dプリンティング利用から恩恵を受けている」とABIリサーチ主席アナリスト、Pierce Owen氏は指摘している。「現在、既存および新規参入スペシャリストの両方のイノベーションにより、これまでに見られなかった規模で、より多くの産業で利用例が増える。たとえAMが量産に適していないとしても、エンドユーザーが3Dプリンターにアクセスできるようにする分散製造プラットフォームにより、ほぼすべてのメーカーがオンデマンドで置き換え部品にAMを使うことを検討するようになってくる」。
 US航空宇宙と防衛産業は、次の10年でAM成長の大きな部分を占め、2026年には積層造形部品と製品の製造は178億ドルに達する見込みである。これはアメリカの航空宇宙産業とその防衛予算の大きな規模によるものである。GE AdditiveとGE Aviationは、商用航空機Airbus、BoeingおよびCommercial Aircraft Corporation of China (Comac)向けに設計されたLEAPジェットエンジン用の燃料ノズルをすでに3Dプリントしている。
 航空宇宙の他に、StratasysのPolyJetモデリングは、手術計画用の解剖学的モデルの製造で特に効果的であることが証明されている。PolyJetモデリングは多様な材料と色を使用できるので、正しい密度の骨、正確な血管構造を持つ組織のカスタマイズモデルを製造できる。また、履物でも採用される見込みであり、AdidasはCarbonのAMシステムを数千足の靴の中底に、NikeはトラックおよびフットボールスパイクにHPの3Dプリンターを使用する。
 「一定の産業がすでに3Dプリンティング技術を採用しているが、普及するには、他の分野が、AMエンジニアリングコンサルタントと前線のワーカーの助けを借りて、製品とサプライチェーンの再設計をしなければならない。AMスペシャリストは、より速く、より安価に動作する装置を開発しなければならない」とOwen氏は結論付けている。