February, 26, 2014, 東京--NECは、ネットワーク上の通信データ(トラフィック)を高度に制御する通信事業者向けのソリューション「Traffic Management Solution」(TMS)の強化を行い、販売開始した。
今回の強化では、2012年2月からTMSとして販売しているトラフィック削減に加え、通信セッション毎に動的チューニングを行いユーザの体感品質(QoE)の最大化を実現する。また、QoEの見える化により、設備設計とトラフィックの最適化を可能とし、投資対効果の最大化も実現。さらに、SDN(Software Defined Networking)と連携させることで最適なネットワーク設備の運用も可能となる。
NECはTMSを世界に先駆けて、欧州、APACで通信事業者の商用ネットワーク向けに提供し、総帯域 数Tbps(テラビット毎秒)級の大規模ネットワークにおいて数年間安定稼働している。2014年度には欧州、APAC、北米において商用提供の拡大を計画している。
QoEを飛躍的に改善
NEC独自のデータ流量制御およびネットワーク特性に合わせ通信セッション(ユーザフロー)毎にシステムパラメータのチューニングを行うことにより、特に混雑エリア、混雑時間帯でのパケット詰まりやスループット低下によるQoE劣化を飛躍的に改善。導入前と比較して、コンテンツのダウンロード時間を約半分に短縮し、ユーザが体感する通信速度を2倍速化。
また、中央研究所で開発した、トラフィック状況に応じて送信量を変動させる予測型ペーシング技術を活用し、混雑地点でのビデオ再生中の停止回数を導入前と比較して90%以上減少させ、QoEを大幅に改善。
ネットワーク設備の投資対効果(ROI)を最大化
トラフィックの大部分を占める動画ファイルの圧縮およびキャッシュ、端末ディスプレイの表示性能に合わせた静止画圧縮、およびテキスト圧縮を組合せることで、30%以上のトラフィック削減を実現。また無線基地局を増強することなしに、混雑エリアでの同時接続数を200%以上に増加。これらにより、ネットワークへの設備投資を最小化しつつQoEの最大化を実現。
リアルタイムでのトラフィック情報の見える化
従来のバッチ処理では1日を要していたトラフィック統計情報をリアルタイムに可視化することで、最適化効果やネットワーク運用状況など事業運営に必要な情報を迅速かつ的確に把握可能。また、トラフィック状況を見える化、分析することで最適なシステムパラメータを決定・設定する動的チューニング機能、QoE劣化時のみトラフィックを最適化する局所輻輳対策など、トラフィック情報の見える化を活用して最適化効果を向上。
TMS to SDNソリューションによる最適な設備設計・運用、顧客満足度向上
このソリューションで見える化したトラフィック情報をSDNと連携させて、トラフィック傾向に応じ動的にネットワーク設備設計・再構成を行うことで効率的な設備運用を実現。また見える化した特定サービスのSLA(Service Level Agreement:サービス品質保証)情報を元にSDNとの連携によりネットワークを拡張し、SLAを更に向上させてユーザや特定サービス提供者の満足度向上を図る等、より付加価値の高いソリューションを提供。