November, 16, 2015, Berkeley--米国エネルギー省(DOE)エネルギーサイエンスネットワーク(ESnet)と国立エネルギー研究科学コンピューティングセンター(NERSC)は、400Gbpsスーパーチャネルを構築した。これは、国立研究・教育ネットワークが導入した初の400G生産リンクとなる。
BayExpressと名付けられた接続は、NERSC 6000ユーザーに重要なサポートを提供する。同ファシリティは来年にかけて、現在のオークランドからバークレーのローレンスバークレー国立研究所メインキャンパスに移転するからである。ESnetとNERSCは両方ともDOEのサイエンスユーザー施設であり、先進的科学研究に最先端の技術を展開してきた歴史を持つ。
このプロジェクトは、米国の物理科学における基礎研究の単一の最大サポーターである科学局(Office of Science)の任務にとって重要である。そのような研究は、研究者が実験施設およびNERSCのようなスーパーコンピューティングセンターでのモデリング、シミュレーションを通じて膨大なデータを生成するので、ますますデータ駆動型になっている。ESnetは、データの移動に高速ネットワーク接続を提供しており、これによって研究者はデータを効率的に移動し、解析し、共有することができる。ESnetは現在、DOEサイトや大学を接続する100Gバックボーンネットワークを運用しているが、データの増加が容量を超える恐れがある、特にスーパーコンピューターがエクサスケール能力に達すると過飽和する。
400G生産コネクションを次のネットワーキングへの第1段階として開発するためにESnetとNERSCはシエナ(Ciena)、Level 3 Communicationsと協力した。生産リンクは、波長あたり200Gbpsをペアとして導入しており、デュアルサブキャリア400Gbpsソリューションの導入が容易になっている。
プロジェクトの一環としてチームは、新たなツールと技術を評価するために400Gbps研究テストベッドも立ち上げた。これは生産データトラフィックの妨げにならず、スタッフは400Gbps光インフラ動作の経験を得ることができる。テストベッドでは、光周波数をさらに狭くチューニングして「グリッドレススーパーチャネル」として知られるファイバスペクトルの利用を最大化する。テストベッドは、Level 3がESnetとNERSCに提供するダークファイバリンクを6ヶ月利用する。チームは、次の2ヶ月、テストベッドでフィールドトライアルを始める。
ESnetネットワークエンジニアリングチームメンバー、プロジェクトコ・リーダー、Chris Tracy氏によると、プロジェクトの目標は2つある。「2つの地域、大規模データセンターの400Gbps光接続リンクを実際に生産導入し、科学的作業を統合してこの帯域を有効利用できるようにすること。さらに、光信号伝送、データの移動とマネージメント技術分野で研究を行い、DOEの研究ミッションで重要な作業の実施をサポートすること」。
チームは、フィールド導入に先立って、実験室でファイバスプールを用いて先行作業を行い、その技術に馴染んだ。最初の目標は、NERSCがあるオークランド・サイエンティフィックファシリティとUCバークレーを見渡するバークレーラボキャンパス間の11kmに生産品質400Gbps接続の導入によって満たされた。これはさらに容量を増やすことであり、生産利用に十分な速度と信頼性を持つ接続をテストすることである。次にチームは、テストを開始し、もっと長い距離でシステムを稼働させた。
長距離テストの一環としてチームは、バークレーラボからサクラメント、サニーベイル経由でオークランドまでを接続する反転ループ、450kmリンクで実験を行った。次のテストベッド研究の目標はファイバスプールを11kmリンクから91kmに延長して光ネットワーキング研究を行い、次世代ネットワークアーキテクチャのテストを行うことである。
NERSCのネットワーキング副長、Jason Lee氏によると、プロジェクトはこの種のもので初めてであった。これは主に、必要な装置が不足しているためである。重要な点は、400Gbpsネットワークインタフェースカードの入手である。これは、2年前にシエナがSC13コンファランスでESnetとSCinetのサポートを得て初めて実証したものである。当時、製造されたカードは非常に限られていた。
現在の状況は、Wang HallのNERSCファシリティがオークランドのコンピューティングおよびデータストレージシステムから、4本の100Gbps Ethernetルータリンクによりデータを取り込み、それを統合して両サイト間で1本の400Gbps光トランスポート接続としている。