October, 16, 2015, Sydney--CUDOS(Centre for Ultrahigh Bandwidth Devices for Optical Systems)のARC(オーストラリア学術会議)センタの共同研究チームは、1948年に初めて提案されたが、これまでに実験的に観察されたことのない現象を実証した。
研究チームは、光、音、無線の波が複雑な散乱物質を透過して進み、エコーなしで直ちにその目標地点に到達する方法を開発した。
クイーンズランド大学(University of Queensland)講師、Dr. Joel Carpenterは、その実験を設計し実施した。光の波は、トンネルの他端にいる友達に向かって大声でメッセージを使えようとしているようなものだ。
「音波は壁や他の物質に当たって跳ね返るので、その友達が受け取るメッセージはエコーによって歪められ、言っていることが理解されないかも知れない」とDr Capenterはコメントしている。
「そこで、何とかしてエコーが他端にとどかないように特殊形状のホルンやスピーカーを持っていて、非常に特殊な形状で声をトンネルに発したと考える。われわれは同じ考えを実証した。ただし、光ファイバの中で跳ね返る光は使わなかった」。
プロジェクトリーダー、RMIT大学(ロイヤルメルボルン工科大学)のDr. Jochen Schropederは、この発見の重要性を強調して次のように説明している。「光を物体の中を通過させ、直ちに他端に光が届くことは、多くの分野で重要である。例えば、皮膚や脳のような生体組織では、散乱光はイメージングできる深さを制限する。こうした技術は、散乱を緩和し、組織の内部のイメージングを可能にする。これは、このような技術がなければできないことだ。われわれは、光がファイバを伝搬する仕方を精密に計測することによって光ファイバ内の光波を利用してこの新しい現象を実証した」。
「次に、どんなレーザビーム形状がエコーなしで伝搬するかを考え、そのような形状のビームを生成し、それをファイバに入れた。次に、その光の全てが他端に同時に届くことを確認した」。
CUDOSディレクタ、このプロジェクトのシニア研究者、Binjamin Eggleto教授は、「研究者たちは光を使ったが、これはWi-Fi、音波、無線やモバイル電話などの他の波にも適用可能である」と指摘している。「基本的に、これは、波全体を、エコーによって信号が歪まないように、他端に同時に到達させたい場合、どんなアプリケーションにも適用可能である」と同教授はコメントしている。