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隠れ蓑技術で太陽電池の効率を強化

October, 9, 2015, Karlsruhe--商用太陽電池の効率は20%程度であるが、カールスルーエ工科大学(KIT)の研究チームは、パネルの効率を高める特殊なアプローチを発表した。光隠れ蓑(optical invisibility cloak)が太陽光を、電流取り出し接点など、太陽パネルに影を落とす対象を回避するように導く。
 現在、屋根に搭載しているモジュールは、光の1/5しか電気に変換できない。この高損失の理由は多様である。例えば、太陽電池表面積の最大1/10が、生成した電流を取り出す接触フィンガーで覆われている。こうした接触フィンガーの位置では、光は太陽電池のアクティブエリアに届かず、電池の効率が低下する。
 「われわれのモデル実験は、クロークレイヤが、接触フィンガーをほぼ完全に見えなくすることを示した」とKIT応用物理学研究所で実験とシミュレーションを行った博士課程学生、Martin Schumannは語っている。
 本来なら、隠れ蓑研究は対象を見えなくすることを目的にしている。そのために、光は対象が隠れるようにガイドされる。この研究の目的は接触フィンガーを視覚的に隠すことではなく、隠れ蓑によって曲げられた光が太陽電池の活性面に届くようにし、利用できるにすることである。
 遮蔽(cloaking)効果を達成するために研究チームは2つのアプローチを実施した。両方とも太陽電池にポリマ被覆を施している。このコーティングは、正確に計算された光学特性を持っていなければならない。つまり、位置または特殊表面形状に依存した屈折率である。第2のコンセプトは特に有望。と言うのは、それが低コストで太陽電池の量産に組み込めるからである。クロークレイヤの表面は接触フィンガーに沿って溝が切られている。このようにして入射光は接触フィンガーから屈折され、最終的に太陽電池のアクティブエリアに到達する(図参照)。
 モデル実験と詳細なシミュレーションによって研究チームは、両方のコンセプトが接触フィンガーを隠すのに適していることを実証した。次のステップでは、効率向上のためにクローキングレイヤを太陽電池に付けることが計画されている。