June, 24, 2015-- 米コヒレント社は、高平均出力と短パルスの組み合わせを実現し、光遺伝学(オプトジェネティクス)研究をはじめ、スクライビングや光造形などの先端産業用途のために高強度な集光ビームを可能にするフェムト秒ファイバーレーザFidelity10とFidelity18の2モデルをリリースした。
新モデルFidelity10とFidelity18は波長1040 nm、パルス幅140 fsで、出力はそれぞれ10W(Fidelity10)と18W(Fidelity18)である。 優れたビーム質(M2<1.2)も兼ね備えているため、他社レーザよりも極めて高いピークパワーと高強度な集光ビームを実現する。 加えて、ソフトウェアが調整可能で、かつ群速度分散補正機能を内蔵しているため、ユーザーは、サンプルに合せて、パルス幅とピークパワーを最適化できる。
ファイバーレーザは、ハンズフリーで長期間安定動作するため、メンテナンスの必要性が低く、またランニングコストも抑えられるといった利点を持つことで知られているが、本モデルは、これらの利点に加え、高出力を併せ持ち、理科学用途から使用環境が過酷な産業用にも対応する設計となっている。 コヒレント社では、産業分野で採用されている高加速寿命試験(HALT)/加速ストレス性能試験(HASS)を実施することで、産業レベルの信頼性を実現するフェムト秒レーザを製品化している。
本新モデルは、幅広い高解像度、超高速応用に理想的である。 例えば、光遺伝学(オプトジェネティクス)では、高出力化により、より多くの神経系細胞を同時に光活性化できるため、複雑さが増す実験に貢献できる。 またマルチフォトンイメージング応用では、イメージングの高速化を実現する。 さらに本モデルの高安定性、高出力及び優れたビーム質は、チューナブルOPOや非線形ファイバーの励起など、非線形光学応用によく適合し、これらの特長により、スクライビング、2光子光造形、導波路、マイクロ流体工学、表面加工などの微細加工応用にも有用である。
【主な仕様】
平均出力:10W (Fidelity10) / 18W (Fidelity18)
波長:1040 nm
パルス繰返周波数:80 MHz
パルス幅:140 fs
【アプリケーション】
光遺伝学(オプトジェネティクス)
多光子励起顕微鏡
OPO、非線形ファイバーの励起
2光子光造形
スクライビング、薄膜加工
コヒレント・ジャパン株式会社 研究開発用レーザセールスグループ
☎03-5635-8700