June, 23, 2015, Amsterdam--AMOLF FOM材料基礎研究所の研究チームは、わずか数分子厚の材料の素早い分子の動きを調べるために超高感度技術を開発した。この新しい技術によって、ナノスケールで起こる様々な超高速化学反応、物理反応を調べることができる。
例としては、触媒表面、細胞膜内部で起こる化学反応がある。
これまでになかったこの実験は、ポンププローブ、超高速プロセスを調べるための標準的技術をベースにしている。この技術では、調べた材料を2つの赤外短パルス(100×10-15秒)で照射する。最初のパルス(ポンプパルス)が材料内の分子を振動させる。わずかに遅れて第2のパルスが続く(プローブパルス)。プローブパルスは振動エネルギーが材料でどのように広がるかを計測する。ポンププローブ分光法により分子プロセスの非常に詳細な像が得られるが、残念なことに信号が非常に弱い。これまでは、この技術は非常に多くの分子を含むサンプルにしか使えなかった。
研究チームは、極微小アンテナを作製することで約10万倍に分子の信号を増幅することができた。チームは、無線のアンテナの動作からインスピレーションを得てこのブレイクスルーを達成した。
この研究では、アンテナは小さなガラスポリマ上に作製された金ナノ構造。調べた材料、ここではポリマ、をナノアンテナの最上部に超薄層(数nm厚)として置いた。金ナノ構造は、特定の赤外周波数でアンテナとして機能するように入念に設計されている。この周波数により、ポリマ分子が振動を起こす。ナノアンテナを赤外光で照射することで研究チームは、超薄層のポリマ分子の微弱信号を効率よく検出することができた。